修理書/配線図集資料室


マークU・チェイサー




(1976年12月)


「整備書」「サービスマニュアル」「ショップマニュアル」等々、各位お好きなお車のメーカー国籍その他で違う馴染みの呼び方もあるかと思うが、トヨタの場合は「修理書」が正式な呼び方。
まずはマークUしか出ていない段階での修理書。上下巻で一式。
当然ながらこのようにマークUしか触れられていない。

恐らくこの直前の発行だと思われるが、特に従来車からの変化が大きいリヤアクスル、サス、ステアリング、ブレーキのみを掲載した簡易な「暫定版」が存在したようである(ソースはCDライブラリー)。





取扱書のページでも触れたが、撮影には最終試作車を使用しているようで、市販車とは一部ディティールが異なる。



(1977年6月)


チェイサー登場後の統合されたもの。の下巻。
53年規制のM-EUエンジンやチルトステアリングなど、同時に改良された内容も追加されている。

この他にエンジン修理書、ミッション修理書が別に発行されているが、それがなくても基本的にはこの上下巻だけでひと通りの整備が出来るようになっている。





このようにちゃんとチェイサーについても記載されている。これまた当然だが。

ただしこの頃の修理書は後年のものとは違い、例えばこういうランプの外し方、パーツ組み付けのビス位置、ビスサイズと言った細かい部分については記載されていない。とは言っても別に不親切なのではなく、現代のものが物凄く親切なだけという気もする。構造が簡単だったことも多分にあるかと思われるが…ATのバルブボディのボルトと言った紛らわしく間違いやすい上に重要な部分についてはちゃんと記載されているので心配ご無用。



(1976年12月)


配線図集。
配線図そのものは新型車解説書の巻末にも付属しているが、こちらは車体へのワイヤハーネスの取り回しまで全て掲載されている。読み込んでいると頭が痛くなる逸品。

現在これらは全てCDライブラリーとして入手が可能。

※2021年に残念ながら廃番となってしまった模様です。



クレシダ




(April 1977)

 
(April 1977)


(July 1978)


輸出仕様のリペアマニュアル及びその追補版。
ご覧のように内容はボデー・シャシーのみであり、本来は他にエンジンのみとトランスミッションのみのマニュアルを合わせて使用する。





特に仕向地などを指定したものではなく、強いて言えば「英語圏向け」である。
左右どちらのハンドル位置にも対応できるような内容になっている。





世界各国へ輸出するとなるとさすがに作業者のスキルレベルもそこまで期待できないためか、より噛み砕いた懇切丁寧な解説がされている。見出しにも分かりやすいピクトグラムが採用されているが、これも国内向けではこの次の型、GX60系になってから。






(1979)


おまけ。チルトンのリペアマニュアル。

北米でこの手のマニュアルというとヘインズかチルトンかという感じだが、ヘインズはMX62系までのクレシダを一纏めに編集されている。表紙もMX62系。MX32系のみのものがあったのかどうかは不明。
それに対してチルトンは70年代からのトヨタ車ということでざっくり一括りにしている。1970-82としたものが現在も入手可能(表紙は殿下コロナ)だが、79年までの版だとご覧のようにクレシダが表紙となる(ので、それだけの理由で入手)。





車種やエンジンが違うものをまとめているので、必ずしも全てのモデルについていちいち書かれているわけではないが、車種別で異なる点やポイントなどはちゃんと触れられているので困ることはない。
メーカーの修理書のようにエンジン分解や寸法測定まで事細かに述べられているが、画像のような「自家製メタル取り外し棒(Home-made bearing roll-out pin)」の作り方指南など、完全にガレージで素人が行うことを前提としていることが分かる。ボデーの凹みへのパテの盛り方まで書かれているから、山海堂の「〜の整備」よりもより踏み込んだ内容と言えよう。
北米ではこういうのをスーパーマーケットで売っているわけである。メリケンってすごい。





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