チェイサー日記(路上復帰篇)







その後、色々とありながら購入を決意。
色々に付いては訊かないでいただけるとありがたい。



陸送はネットで依頼した。耶フーお得意の「レジラ」というヤツだ。祝日の朝、キャリアカー(4台積み)に載せられて我が家へ来たのだが、いざ降ろそうとするとエンジンが掛からない。朝載せる時は何とか掛かって、10分ほどアイドリングさせて来たというのだが・・・

埒があかないので人力でとりあえず道路まで降ろし、クラタク号のバッテリーをお裾分けしてクランキング・・・が、やっぱり掛からない。牽引ロープでもって庭に引っ張り込む。

この日は先に述べたように祝日、家族連れのミニバンの行き交う中、延々と車線を占領するキャリアカーとボログルマ。全くもって顰蹙モノである。てゆーか1台積みのローダーで来ないかフツー。
それでも結構安かったし、発注もネットでお手軽(むしろヴァーチャルかつお手軽過ぎて不安になるほど)だったので、まあまあお勧めできる。因みに陸送費用は44,100円。





とりあえずはバッテリーを新品に。
B19Rが載っていたので、記憶ではLだった気がしつつも同じヤツを買って来たら、案の定本来は19Lであった。
その辺のアリモノをとりあえず使っていたのかも知れない。バッテリー固定金具もオリジナルではなかった。
かくて逆三段スライド式に部品取りとなってしまった哀れな零号車、最初に取られた部品はバッテリー固定金具であった。

燃料ホースを引っこ抜いてクランキングしてみるが、やっぱりガソリンが来ていない。トランク側から燃料計センサーを抜いてみると、予想通りの錆景色。
修理書と首っ引きで早速燃料ポンプとタンクを降ろす。
なお当然の如く、本来なら最初にドレンからガソリンを抜くべきなのだが、思うところあってそのまま抜かずにタンクを下ろす。

フィルターを馴染みのトヨタ店で注文しようとするが、いきなりの製廃、代替品なし。ポンプは作動確認で問題なかったが、フィルターって消耗品じゃないのか?と思いつつ灯油で洗浄。錆色の灯油も出なくなり、試しにIN側から灯油を流し込んでみてもちゃんとOUT側からスムーズに流れ出るようになったので、これでよしとする。





通販でPOR-15のフュエルタンクリペアキットを購入。今や燃料タンクのリペアといえばこれが定番中の定番。

まずはタンクをひっくり返してガソリンを抜く・・・が、形がヘンなので中々上手く抜けない。しかしそれをさっ引いても出てくるガソリンの量が少ない気が・・・単にガス欠でエンジン掛からなかっただけじゃないのか?という気もする。

洗浄→錆取りとマニュアル通り進めたが、前述の通り形が形なので何度も倒したりひっくり返したりしてもタンク全体にケミカルが中々行き渡らない(気がする)。
洗浄時タンクの穴は説明書では「ガムテで塞げ」とあり、OT誌では「絶対剥がれるので栓モノで塞ぐべきだ」と言っていたが、何のことはないビニールで包んだ軍手を突っ込むのが一番簡単かつ確実だと思う。ケミカルと一緒に使い古しのホイールナットを10個入れて、ガラガラと振り回した。排出した洗浄剤はパーツクリーナーとして再利用できる・・・らしいがタンクの形状のせいで大部分こぼしてしまったのでそのまま廃棄。

タンクシーラーはキット付属の1缶しか使っていないが、正直ギリギリの量だった気がする。このサイズ、こんな形状のタンクを完全にシールするには、せめてもう1/2缶位入れたほうがいいのではないだろうか。少なくともその方がラクそうだ。
前述の通り形がヘンなのでひっくり返してもシーラーが出てこない。ヤケクソで1輪車(勿論ネコ車の方だ)の上に逆さに置いたらようやく垂れてきた。1輪車の荷台もグサグサだったのでついでに塗り広げてシール(あんまり意味ない)。細いパイプは詰まらないように空気入れ(生憎コンプはない)でエアブロー。

なにぶん寒いので組み付けまでに4日ほど乾燥させたが、排出時に手に付いたシーラーは4日後にもなおしっかり親指の付け根に銀色を残していた。密着性の高さがうかがえる。





タンク内で無錆を囲っていた(そんな日本語ありません)、左からフュエルパイプ、燃料計センダ、ストレーナー。

燃料計のフロートは案の定、錆付いて動かなくなっていた。
燃料計の針が振れていたのは、宙ぶらりんのまま固まったセンダの信号を拾っていただけで、やっぱりガソリン入ってなかったのだ(残量警告灯は点いていた。最初にタンクを下ろす前にガソリンを抜かなかったのは、殆ど入ってない気がして仕方なかったからなのだ)。
CRCをこれでもかと吹き付けつつ動かしてやっているうちに、ちゃんと引っ掛かりなく動くようになった。
右端のストレーナーは流石の錆模様・・・と言いたいところだが、これは生憎最初から茶色い樹脂でできているだけのこと。

タンクが降りてトランクフロア裏が丸見えになっているうちに、防錆ワックスを吹き付けておく。アンダーコートになるノックスドール300を使用。黒だと吹き付け後が汚らしいので半透明の褐色タイプにした。トランクフロア後端は特に錆びやすいので、念入りに吹いて置く。





小雪舞う中タンクを再び載せ、全てのホースを繋ぎ、レギュラーガソリンを注いで再始動。
最初は掛からなかったが、施工前同様アクセルを一杯吹かしてクランキングしたら、アッサリ掛かってくれた。

しかも極めて調子がよい。アクセルを踏み込んでも以前のように息つきしたりせず、ちゃんと吹け上がってくれる。やはりフィルター辺りに錆が詰まっていて、吹かした時にガソリンの供給が追い付かなくなっていたのだろう。

トランクリッドの上の雪が判るだろうか?





・・・しかし喜びも束の間、外したホース類をチェックしていたら、エンジンルーム内のホースからガソリンがダラダラ垂れている。慌ててエンジン停止。
場所はポンプから燃料が送られる車体床下のパイプとエンジンのデリバリパイプを繋ぐホースの部分(写真中央)。最初のチェックでガソリンが来ているかどうか見るのに外した場所。
ここは助手席足元の先辺りで、サイドメンバーの真横なためホースバンドを元の位置に戻すだけでもひと苦労。しかも改めてよく見たら、根元までホース入ってないし。
きちんとホースを挿し直し、バンドを(できる限り)元通りにはめ直して再始動。・・・やっぱり漏る。再びホースを抜いてよーく見たら、先がヒビだらけの上ガソリンを吸ってふやけてしまっている。こりゃ漏るわ。それではと、ベロベロになったホースの先を1センチばかりかっ飛ばして繋ぎ直・・・届かねぇし。切り過ぎたかな。
仕方なく零号車よりホースを拝借。今度は大丈夫・・・と思ったのは30秒ほど。ちょっとよそ見をしているうちにジャジャ漏れに。うわぁ。

半ばヤケクソで、今度はホースバンドの二丁掛け。今度こそ大丈夫だ。多分。少なくとも今のところは。
新品に交換した方がいいに決まってるが、たぶん純正品は製廃だろうな。





エンジンは無事掛かった・・・が、Dレンジにシフトしてブレーキを解除しても、一向に動こうとしない。アクセルを吹かせばジリジリと前進する。Rレンジだと・・・こっちはもっとヒドい。やっぱりブレーキ張り付いている。キャリヤカーから降ろす時にやたらめったら重かったので、予想はしていたが、というか長期不動車はそうなっていて当然だ。言い忘れたが現車、最後に車検を受けたのが平成3年、抹消が翌4年である。その後もエンジンは掛けていたらしいが(10年間保管でこの美しさだから驚異的だというのだ)。
ブレーキの張り付き如き、このまま無理矢理走ってしまえば剥がれるのではないか・・・等と考えてしまうのも尤もであるが、以前零号車でブレーキ張り付いているのを知らずに試運転し、パッドを焼いてマスターから沸騰したブレーキフルードを吹きこぼれさせた経験から、激しくお勧めできないと言っておく。

バック時の感触から後ろの方がヒドそうなので、リヤをジャッキアップ。右後ろは大丈夫のようだが、左後ろはしっかりピストンが固着していた。この日はやたら風が強く、途中で工具を買いに行ったせいで日もとっぷり暮れ、寒いのなんの。どっちにしろ完全にオーバーホールしないと危なくて乗れないので、とりあえずピストンを無理矢理引っ込めただけでフタをしてしまう。
地面に降ろして再度Dレンジに・・・前もダメか。やっぱりな。
ブレーキOHは後で車検整備を兼ねて、プロに依頼する事にする。




途中で買いに行った工具と言うのが、リヤのブレーキラインを切り離すためのフレアナットレンチなのだが、その辺のホームセンターにはなかったので仕方なくジ○イフル本田荒川沖店まで行く事に。
その時ホントに思い付きの気まぐれでいつもと違う道を選び、荒川沖駅前に入る十字路に到着。信号待ちしていると真っ正面の店の駐車場から、グレーの330セドリックが。おお、珍しい・・・と思いつつ何気なくその店の看板を見ると「世界の工具・アストロプロダクツ」・・・何いッ!?いつの間にこんなトコに!!(11月にオープンした由)
入ってみるとOT誌で見た便利な工具がそこここに・・・最初から判ってれば整備始める前に工具買いに来たのにッ!そうすればあんな苦労やこんな苦労も・・・キィーッ!!
とは言っても後の祭り、しかし今後のためにフレアレンチセット含め、使いそうな工具は買い込んでおく。

写真は欲しかったホースリムーバー。V字の谷にホースとパイプの継ぎ目を挟み、ググッと握るとホースが抜ける・・・という寸法である。最初っからこれがあれば・・・





工具ついでに、すっかり工具置き場兼軽作業台兼用品買出し車両にされている伍角号。





ひん曲がっていたバンパーを、手持ちのマトモなバンパーと交換してみる。
今まではバンパー自体も引っ込んでいたので大して目立たなかったが、バンパーが真っ直ぐになると実は結構曲がっているフロントパネルとの透き間が目立つようになってしまった。
エプロン共々零号車のものと交換した方がいいのは明らかだが、このままでも気にしなければそれほど気にならないことも・・・なくはない。どっちだ。

同時に取り付けが逆スラントになってしまっていたグリル、とりあえずタッピングビスの尻にゴムチューブの輪切りを噛まして、少しは真っ直ぐについているように調整。パネルが歪んでいるのであちこち透き間が開くが、それでもパッと見は随分マシだ。





思いっきり画質調整したもの。
バンパーとグリルの透き間から、下のエプロンが見えてしまっているのがお判りいただけるだろうか。取り付け角度を立てたせいで、グリルの下端もフロントパネルより前に出てしまっている。





ひしゃげたバンパー。
それにつけてもこのバンパーは(凹み以外)非常にキレイだ。裏側も殆ど錆が見られない。

交換したバンパーは以前北海道の人から買ったもの。表面はキレイだったが裏側は定石通り錆びていたので、ざっと磨いてエポキシ塗料を塗ったくり、ついでにボルト類にはノックスドール300を必要以上にぶっ掛けておく。
本来付いていたプロテクトモールは中の芯がグサグサになって来ていたので、それよりマシな以前零号車に付いていたものと交換。構造上モール内に水が溜まり、芯を腐らせてしまうようだ。
腐り始めた芯はどうしようもないので、少しでも錆の進行を遅らせられるようにこれまたノックスドール300を吹き付ける。黒を使ったので錆隠しにもならない事はない。





しかしバンパーがいかにキレイであろうとも油断はならない。
ライセンスランプを外してみたら・・・予想通りの錆加減。

ライセンスランプケースはタダでさえメッキが薄い上、絶対水が入ってしかも絶対抜けきらない構造になっているので、むしろ錆びていて当然である。表面がキレイでも中はまず九分九厘錆びている。
ワイヤーブラシで擦った後、「南蛮渡来の錆取りチンキ」こと超強力錆止めエポキシ塗料、POR-15を塗布。PORは黒が一般的だが、ボデー表面に使う時の事などを考えて敢えてクリアを選んでみた。

密着力は聞きしに勝るもので、塗った後で折り込み広告の上に置いておいたケースが垂れたPORで貼り付いてしまう始末。思いっきり引っ張って剥がれたが、塗料としては恐るべき接着力である。ただし、これまた聞いていた通りだがツルツルの面への食い付きは悪い。ケース裏の全面に塗って置いたのだが、メッキがしっかり残っている部分はちょっとしたキッカケでフチから剥離してしまうし、面白いように剥がれてしまう。というか面白がって剥がしてしまった。
因みにバンパー裏に使ったのが同じ錆止めエポキシ塗料の「ハンマーライト」なのだが、モールを留めるナットを締めていたらメッキの残っていた部分に塗ってあったものは簡単に剥がれた。 まぁ頑強なエポキシ塗装と言えどこんなものなのでしょう。





間繋ぎに(何)ボデー各所に防錆ワックスの吹き込み。
使ったのはこれまた定番中の定番、ノックスドール700。あのボルボ純正採用の逸品。

ボンネットとトランクリッドはエッジ部分に充分吹き込ん・・・でいたらあっちこっちでダラダラ垂れる。吹き過ぎだろうか。
サイドシルは錆びると厄介なのでこれでもかのつもりで吹き込んだ。ドアは取り敢えず軽く、のつもりで内張りは外さずに水抜き穴から吹き込むに留める。たちまち1缶使ってしまった。やっぱり吹き過ぎなのか。

このクルマは構造上錆びて当然、のホイールアーチモール回りすら全くと言っていいほど傷んでいない。錆びてから手当てするより錆びないように手当てしておく方が遥かに簡単なのでここもワックスを塗ったくる。これまた一時凌ぎのつもりなので、アンダーコートでなく硬めのノックスドール300を使用。吹き付けようとしてもタイヤが邪魔でノズルの狙いが定まらない(本来タイヤを外して作業すべきだ)ので、適当に吹き付けた後に手で塗り広げる。
車体だけでなく自分の指の爪の間まで激しく防錆。ワックス臭ですっかり気持ち悪くなる。





前述の通り、アクセルを踏み込んでおかないとエンジンが掛からない。今のところさほど不自由もないが、一発で掛かった方がいいに決まってはいる。ローギヤード号がそうであったように、大方はコールドスタートインジェクタ(チョークがわりのインジェクタ)であろうと思い、とりあえずサージタタンクから外して作動確認してみる。
本来はフューエルポンプを短絡して強制作動させ、インジェクタに直接バッテリ電圧を掛けるのだが、インジェクタの極性(+−)がイマイチ自信なかったので、引っこ抜いて燃料受けにCRCのキャップを置き、プラグコードのコイル側を抜いてクランキング(火災の危険があるので絶対真似してはいけない)。案の定ちびっとも出ない。インジェクタ側のホースジョイントを廻してみたらガソリンが滲んだので、ここまではガスが来ていることが判る。ただのインジェクタの詰まりだ。

予想はしていたので前回燃料フィルタと一緒にオーダーしてあった新品のインジェクタと交換する。ホースジョイント(付け根側)の狭いのなんの。しかし新品のホースは流石に柔らかい。





新品のコールドスタート・インジェクタ。確か17k円くらい取られたが、出るだけ感謝しなければならんのだろう。
因みにオーダー時に「メーカー在庫2個のみ」と言われ、2個とも買う・・・とここまで言いかけたが敢えて1個だけにした。これから同じクルマを起こそうとする、まだ見ぬ同好の士へのささやかな心遣いのつもり。

前述の通りホースユニオンの脱着がひどくやりにくく、何度も取ったり付けたりが大変なので新品を付けてしまったが、中古品も機械的な故障ではなくガム質が詰まっているだけだと思うので、念入りに洗浄すれば復活しない事はないと思う。エンジンコンディショナーの風呂にでも漬けてみるか。





それにしても・・・前から気にはなっていたが、このクルマは妙に水が出る。マフラーカッタ(ディフューザー)が錆色だったのも無理はない。
走行距離が少ないので、触媒の反応が激しいのだろうか?





尤も謎と言えばこっちの方がよっぽど謎だ。

カーテンでお判りの通りリヤトレーの写真なのだが、何故か小さな鳥の羽根が大量に散らばっている。何なんだ??
車内で鳥でも飼ってたんか?とも思ったが、それにしては汚れ方が少な過ぎる。最初に見た時から不思議で仕方なかったのだが、よくよく考えてみたら何の事はない、毛バタキ(今ではハイヤー運転手くらいしか使うまいが、昔は愛車セットの定番だった)が劣化してバラけたのだ。そうに違いない。


・・・と書いてはいるものの、実はイマイチ納得していない。それにしては毛のサイズも色も揃いすぎているし、バラけたとしてもこんなに散らかるものか?それでもとりあえず毛バタキが犯人だと思っておく事にする。
もしそうでないとすると・・・と考えるとコワ過ぎるから。





車内に掃除機を掛け、ついでに直射日光除けにシートカバーを装着する。
シートはシミこそ多いが、大して汚れていない感じ。そもそも「シートカバーはカッチョ悪いモノ」という意見であるし、このカバーも取り敢えずの間に合わせのつもりであるから多少カッチョ悪くても気にはな・・・ならな・・・カッチョ悪過ぎますかいくら間に合わせでもコレは。

カーテンは取り外してしまったが、前オーナーを偲ぶ意味でも付けておくのも悪くはない・・・とは思うが、あの羽根だらけのカーテンを掃除する勇気はワタシにはない。たかが羽根なのだが。どうしてもどうにも気持ちワルい。汚いとかそういうんでなく、生理的な不快感と不安感が感じられて仕方がないのだ。不吉さえ感じるのだ。たかが羽根なのに。





殆ど唯一の錆個所、フロント周りの補修。とは言っても本格的にやるまでに錆が進行しないようにするための、これまた繋ぎのつもり。

ライセンスランプの裏側の防錆に使ったPOR-15を取り出し・・・フタが思いっきり固まってて開かない。流石の接着力、大したものだ!って感心してる場合か。
フタの間を薄刃のマイナスドライバーでこじり倒してようやく開いたが、この調子では次回使うまでにまた固まっていても不思議はない。OT誌で確か「フタと容器の間にラップを挟んでおくとよい」と読んだ記憶があるが、ネジ式のプラ容器ではどうだか・・・

後ろに写っている茶色のものはユンケルの入っていたトレイ。塗料皿代わりに最適なのでみんなも取っておこう。





フェンダー前端、バンパーの角が食い込んだ部分。
後でちゃんと直すことにして、とりあえず浮き錆と剥がれかけた塗膜を落とした後PORを塗りこんでおく。クリアなので錆が丸見え。本当はボデー色でタッチアップしようと思ったのだが、タッチアップペイントが押入れの中で埋まっていてどこにあるか判らない。しかし幸か不幸かボデー色が錆色なので大して目立たない。

患部を改めてよく見たら、以前にキズをタッチアップした痕跡がある。もしブツけて乗らなくなったにせよ、傷まないようと手当てはされていた訳だ。前オーナーの愛情が感じられる。





フェンダーがバンパーの角で押されたため、フロントパネルとのクリアランスはなくなっている。こうして見るとラインのズレがよく判る。
少しは引っ張り出せないもんか・・・とヘッドライトを外して思いっきり手で引っ張ってみるが、予定通りビクともしなかった。





ヘッドライトを外したついでに、以前零号車用に試しに買ってみた小糸のハロゲンヘッドランプ(H4)をはめて見る。

うーん・・・やっぱりイマイチだ・・・

「暗いヘッドライトは社会の敵」という主張は毎度の事なのでご存知かと思うが、光量の点では最悪の部類に入るシールドビームにもたった1つ圧倒的な優位点がある。見た目の良さである。
特に丸ライトは正面から見た際リフレクターの反射があたかも瞳のように見えるのが個人的に非常に好きなのだ(写真左が元のシールドビーム、右が小糸H4ハロゲン)。勿論ハロゲンのシャープなレンズカットの方が好みという人もいるが、人間で言えば目に当たるヘッドランプ(丸2灯は特に)、左側のシールドビームのクリクリおメメと比較すると、右側のハロゲンの方は瞳孔開いてるようにしか見えないのはワタシだけだろうか。

ハロゲンのシールドビームというものもあるが、これは当然ながらハイワッテージバルブに交換することはできない。リレーを噛ましても光量アップはたかが知れてるし。
どこかにイイ感じのH4ランプは落ちてないだろうか・・・





我が家の庭の1等席に保管(言うまでもなく特等席は親父のクラウンの入っているガレージである)。庭の他の場所とどう違うんだ?と思われるだろうが、ここだけ地面に薄くだがコンクリが流してあるのである。同じ露天でも下が土なのとコンクリなのではだいぶん違う。そのうちアコーデオンガレージかなんか買います。

とりあえず自前の修理整備は一旦ここで打切り、三郷の某A自動車(知ってる人にはバレバレ)に車検整備とナンバー取得を依頼。勿論それくらい近くの修理工場でもできない事はないが、燃料フィルターさえ欠品という事実を鑑み、近所の工場で部品が出ないだのなんだのと面倒が出るのを嫌っての事。零号車を買った縁もある事だし。あんまり関係ないけど。

ローダーで取りに来たYさん、10年近く前の事ながら零号車の事もしっかり覚えていた。ローダーに積み込んで目線の高さになって初めて、燃料タンクが少し右下がりになってるのに気付く。タンク載せるだけでもアップアップしてたからなァ・・・後で直しましょう。


・・・あ、しまった。「もしちゃんと仕事しないと、自分のサイトでチクっちゃうんだからな!」と恫喝クギを刺そうと思ってたのに忘れてしまった。勿論そういう事はないに越した事はないが。
もしもの時は向こうのサイトの掲示板で煽るとしよう。








3週間の整備期間を経て(と言っても他のクルマの修理もあるから手をつけたのは2週目かららしいが)、無事登録完了。
ブレーキ系統全てをOH、ついでに接触の悪かったA/Tのニュートラルスイッチを交換(たまにPレンジでエンジン始動しない事があった)。後は普通の車検整備のみ。

総額は伏せるが・・・たかが100kしか走ってないユーノスプレッソの車検に同じくらいツッ込んでるヒトがいましたねそういえば。あれあれ?三郷までの陸送費用と希望ナンバー費用を引くと・・・3ケタだけど逆点してしまいましたよ?
尤もこの金額は実は50k近い「特別割引」あっての事。正直安くしてもらって大いに気を良くしたのだが・・・引き過ぎじゃなかろうか。もしかしてこのページのこのちょっと上の言葉に恐れをなしたのだろうか(こんなページ見てないって)

ナンバーは今年から採用された「さいたま」ナンバーを早速利用。まだ普及していないので読み方が判らないという人もいるようだが、例えばこのナンバーの場合
「さいたま 五百三十万石 おおみや 62-**」と読む。
あ、当然「さいたま」の部分は裏声で。

希望ナンバーはホント言うとどうでも良かったのだが、折角なので頼んでみた(個人的には余程ヘンな番号でもない限り、交付された番号で充分だと思う。キリスト教徒ではないが666とかはイヤだ)。
真っ先に思いついた以前ウチにあったチェイサーの番号・・・はおかんが暗証番号に使っている危険があるので却下。年式とか型式とかからってのはベタ過ぎてハナから論外。
と言うことで初度登録から抹消までの前オーナーの4ケタ番号を再び掲げる事にした。


(注:このテーブルのみ一部フィクションです)




Yさんから「好みがあるのでステッカーは貼ってません」と、車庫証明一式をそのまま渡される。
リアウインドー左下の微妙な位置にトヨタオート三重の[整備保証]ステッカーが貼ってあるのでどうしたものか・・・等と話すと、意外にも貼らないでおいてもそうそう五月蝿い事は言われないらしい。そもそも車庫証明を取っていなければ絶対車検は取れないし、ましてやこのような旧いクルマだと(ステッカー導入以前の登録なら)貼ってなくてもさほど不思議はない訳で、「貼るの忘れてますた」「じゃあ後で貼っとけYO」くらいで済んでしまうとの由。
と言うことでとりあえずはどう貼るか保留とする。





早速試運転。
何しろ10年ぶりの路上復帰、イキナリエンコ・・・という事態も十二分に考えられるので、不測の事態でもあまり迷惑が掛からないよう農道へとハンドルを向ける。

第一印象は・・・「重ッッ!」
ソロソロと走り出したので加速が緩やかなのは当然・・・というかそんなの期待してないが、トロいのはエンジンとかミッションとかのせいでなく、無闇に重いアクセルペダルに大部分責があると思われる。クラウンも並みのクルマに比べると重い方だが、その倍は絶対重い。スカスカアクセルのフツーのクルマしか乗った事ない人が予備知識なしでいきなり走り出そうとしたら、「何か引っ掛かってない?」と思うであろう。当時のカー○ラフィックの試乗記に「アクセル重すぎて足が押し戻されて勝手にエンブレかかっちまうよウワァァンヽ(`Д´)ノ」という記述があったが(マジ)それも頷ける。零号車ってこんなに重かったかなあ・・・

Yさんから「試運転した時にリヤからゴトゴトと音がしていた」と聞いたが、確かに音がする。どこかのブッシュあたりの音ではないか・・・と言っていたが、それより前にタイヤからと思しき振動がヒドイ。10年の保管期間にフラットスポットができてしまってるのではあるまいか。どっちにしろ新車時のタイヤで走り回るのはあまりにもキケンである。





・・・と言う事で、「路上復帰篇」はこれにて終了。ご静聴ありがとうございました。
今後の「チェイサーが制止する日篇」「ビックリ分解自動車篇」にご期待下さ・・・って、しないでいいですそんな期待。


あ、JAF入っとかなきゃ・・・





発掘篇 路上復帰篇 路上抗争篇

資料室 チェイサーTOP HOME