プラモデル資料室
ホンモノに乗れるまでの繋ぎに作りまくったという人も、またプラモから好きになったという人も少なくないのでは。
2012/2/4 アオシマ1点追加&フジミ2点追加
2011/3/5 エルエス製後期型1点追加
2010/10/31 アオシマ製品多数追加&一部改訂
■アオシマ 1/24 チェイサーSGS/マークUグランデ ■エルエス 1/24 マークUグランデ ■フジミ 1/24 マークUグランデ4ドア/チェイサー4ドア ■ダイワ 1/32 チェイサー |
1/24スケール |
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・アオシマ トヨタチェイサーHT 2000SGS / トヨタマークUHT 2000グランデ |
ご存知『ザ・チューニングカー』シリーズ。 「ザ・チューニーングカー」「一世風靡」「チューニングカー・グラフティ」「ヴィンテージ・クラブ」「ホットロッド」等々と何度も何度も名前を変えつつ、現在なおも絶版にならずに作りつづけられている名作。 今後これらの車種のキットの新作が出る事はまず有り得ないので、決定版と言っても差し支えないだろう。今後も金型が保つ限り作り続けてもらいたいものである。 |
![]() KIT NO. 3G-42 900 |
![]() KIT NO. 3G-53 900 |
『ラメ塗装』や『ワークス仕様』があったのも当時のアオシマならでは。 (それぞれ2005年9月/1月に再販されているが、これは当時のパッケージ) 初版の発売時期は同シリーズにジャパンターボが入っているところを見ると’79年辺りか?と思っていたのだが、81年頃という話を聞いた。型落ちの車両を本格的にモデル化しているのだから、それはそれで色々と凄い。 既に2030年以上前のキットという事になるが、現在の目で見てもボデーラインは優れているし、モールドの再現度も良好である。「チューニングカー」故のオプションパーツの数々も見ていて楽しい。特にシャシーはモーターライズと金属コイルサスの『ハの字シャコタン』を両立させている意欲的なものである。尤もハの字で実際にモーター走行させるのは結構ツライものがあるのだが。 しかしそうでなくともマニア向けの超精密キットでもないのに前後の牽引フック(チェイサー/マークUの場合5個!)まで再現した1/24スケールキットというのは稀であるし、今後そんなキットが出る事はまずないだろう。必要なモールドさえ適当に端折られてたりするしなぁ。お宅のキットの事ですよフ○ミさん。 このシリーズは330セド―グロ、ガンバコローレル―ケンメリ2ドア―ヨンメリというように、複数車種でシャシーや内外装パーツを共用しており、チェイサー/マークUも同様である。キットの基本がチェイサーで作られているため、厳密にマークUグランデにするにはウレタン4本のステアリング、角形のメーター、大型アームレストでない内張り等々を加工する必要はある。 因みにチェイサーには、給油口のモールドを左右間違えて彫っているという大きなミスが。黙っときゃ分からない? ひとつ不思議なのはボデーのルーフラインが両車で異なっており、そのため窓パーツに互換性がない。だから例えばチェイサーのキットを買って後から部品請求でマークUのボデーだけ買っても、パーツの数は揃っているのにマークUとしては完成させられないのである(ブッた切りオープンにしてしまうなら別だが)。 どうやら両車のボデーは別のモデラーの手で作られたようで、各所のラインや型割り位置等にも違いがある。意図してわざわざそんな面倒臭い事をするわけもないので結果的にそうなってしまっただけだろうと思われるが、如何なる事情だったのか。それでも結局互換性のあるようにルーフ周りだけ改修されるということもなく、ウインドウパーツのみ各々専用型とされ、当然そのままずっと作り続けられている。 |
因みにさっき書いた牽引フックであるが、マークUの方には車体右後ろのボデー側に食い込む上側のU形フックのための切り欠きがなく、何らかの加工をしないと取り付けることができない。後に説明書からは取り付け指示自体が削除されている。 チェイサーの方はちゃんと付けることができる・・・が、実は右後ろにフックが2つ付くのはキット設計時に左リヤと左右対称に作ってしまっただけのミスであり、実車の右リヤには前述の上側U形フックしか付いていない。こだわる向きは留意されたい。 後期型だとフロントの牽引フックがバンパー右ステー付け根にも追加されているので、更にこだわる向きはどうぞ。 |
「一世風靡」のパッケージ。 発売順としてはザ・チューニングカー→ラメ塗装→一世風靡→チューニングカーグラフティ→ヴィンテージクラブ→ホットロッド→ベストカーヴィンテージ→チキチキれーしんぐ→グラチャン→もっとグラチャン・・・という順(ワークス除く)だと思うんですが自信はございません。「ベストカーヴィンテージ」と同じシリーズ名でも、最近の広報写真のボックスの前に水彩のパッケージのがあったので、その辺りは順番が前後するかと。 作りたいと思って探すと版はともかくキット自体は昔からいつもさほど苦労もせずに手に入るのだが、パッケージ違いまでコレクションしようなどといらんことを考えると思ったより多くて面倒なことになるので要注意。 |
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「ヴィンテージ倶楽部」のパッケージ。 たぶんハイフン以降がキットナンバーだと思われますが、確信はないのでバーコードの箇所の番号を全て載せております。 |
同シリーズには新規作成されたエッチングパーツが付属し、チェイサーの場合ワイパー、車名プレート、エクストラインテリアのバッジが入っていた・・・のだが、全くリサーチせずに作ったようで“Sv.”という意味不明の文字が刻まれたものとなっている(実物はもちろん“Ext.”)。プレートの文字もよく見ると似てはいるが実物とは若干フォントが異なる(もっと言うと後期型だとプレートには「チェイサー」とカタカナで入るのだが)という、少々残念なもの。 マークUのキットの場合は間違いこそないが、ワイパーとプレートのみとちょっと寂しい。その代わりにクォーターピラーのエンブレム用デカールが追加された。 この後発売順を追うと引っ張りタイヤを追加した「チキチキれーしんぐ」、スポイラー類を新規製作した「グラチャン」「もっとグラチャン」と続くのだが、個人的に全然嬉しくないパーツ追加な上に高価になってきたこともあるので割愛させていただきます。 |
の予定だったのですが「チキチキ」のチェイサーだけはつい買ってしまいました。 パールバイオレット成型のボデーがきれい。これに見惚れて買ってしまったようなもの。なんだかもうクルマの色って感じじゃないですが。ファンシーな文房具とかそんなイメージ。この色を見ると是非無塗装で組みたいところだが、成型プラの宿命でパール粒子があちこち溜まってムラムラになっているので微妙なところ。 このキットは足回り部品を新作して、4輪独立して強いネガキャンが付くようになっている。リヤがハの字を切るのは当然だが何でフロントまで?「鬼キャン」の概念が生まれたのが90年代だと思うが、別に時代考証とか関係なく最近のやんちゃなカスタムという事のようである。ついでに言うとグラチャン以降の箱絵だとリヤがハの字になってないのも気になる。グラチャンコレクションのとこでも言ったけど実はSXLか。 引っ張りタイヤには何の興味もないのだが、めっきの加工鉄チンホイールにはちょっと惹かれます。にしても箱絵はちっとホイールデカ過ぎるだろう、16か17くらいありそうだ。 専用ホイールがめっきになった反面、他のホイールやバンパー類のめっきが全てオミットされたのが残念。 グラチャン2種のチェイサーには当時モノナンバーとして『茨56』のデカールが入っているのが個人的にはかなりグッと来るのだが、生憎となまじ知識があって『茨56と』は昭和52年前半に振り出されているのを知ってしまっているので、流石に好きでもないスポイラーが付いて更に高くなったキットをナンバーだけで買うのだけは控えられている。『茨』が『水戸/土浦』に切り替わったのが昭和53(1978)年4月(今回初めてちゃんと調べたのだが、昔の記憶から想像していた時期とほぼ一致する)なので、後期型で茨ナンバーというのはそもそもあり得ない。車両の様態からしてテンプラである可能性も考えられる。しかし「安く前期買えたけどダサいので後期仕様にしました」というストーリーも考えられたりして、それならそれはそれで! というか茨城が馬鹿にされてる気がするわはー |
現時点(※記述は2010/10のもの)でもっとも新しいノーマルのモデル。箱絵に広報写真を使っていて美しいのは美しいのだが、イラストならでの楽しさとかほのぼの感といったものはないのが残念。 マークUでは前後とリアフェンダーのエッチングエンブレムが新作された。 ただエンブレムは元々ほぼ完璧なモールドが彫られているので、わざわざ実物同様の立体感あるエンブレムを削り落としてぺらぺら真っ平らのエンブレムに換える意味あるか?と個人的には些か、いや、はなはだ疑問である。研ぎ出しが楽?まあそれは確かにそうですけど。ただお使いになる向きもトランクリッドの右下に付く“MARKU”のロゴの書体は間違っているので注意されたい(太いゴシック書体で正しい)。 当たり前に現行品のつもりでいたのだが、既に生産を止めてしまったようで現時点(2010年10月)ではカタログ落ちしている。 チェイサーの方は更に後に出たものだからか、ノーマルキットでも定価は税込1,890円まで値上がりしている。 にもかかわらずエッチングパーツなども付かず、それどころかノーマル仕様では定番だった純正アルミのメッキもオミットされ、些か冷遇された感じ。 それ以外は特に変わったところもなく・・・と思って見ていたのだが・・・ |
慌てて調べてみたところ、「チキチキ」では直っていないが「グラチャン」の新規製作スポイラー試作品の写真に使われているボディでは直っているようなので、この時期に修正されたものと思われる。2006年辺りか? 古い金型の保守だけでも色々苦労があると思うのだが、そればかりかまさか25年越しでモールドのエラーが改修されるとは・・・ アオシマ偉い!よくやった!アメちゃんをやろう!! |
更に新しくなって、2011年12月発売のもの。 税込1,890円と前回のチェイサーと同じ価格ながら、この前新作されたエッチングパーツが付く。 メーカーのキット紹介で『純正ミラーも付いてます』などと書いているのは後述のフジミのキットを意識しての事であるのはわかる。 箱絵はイラストに戻ったのは好ましいが 何と言っても一番のトピックはキットの歴史上初めてグリルやテールリムがクローム仕立てになったこと。 新規パーツの追加ではなく従来のままのキット構成でランナー一枚丸ごとめっきなので、同じランナーに付いているシートやステアリングもぴっかぴかである。また思い切って豪快なことを・・・と思ってよく見たらシートまでごっそりめっきなのは流石に気が引けたのか、黒成型の同じランナーがもうワンセット入っているという更に豪快な内容となっている。 ご存じのようにチェイサーのパーツも一緒にくっ付いているので、このキット1台でマークUのエッチング入りキットの他にチェイサー用のクロームグリルとテールリムが自動的に手に入る。大変お買い得。組み立てるつもりでマークUのキットを買うのであれば現時点でこれがベストバイであろう。 |
更に時代は下り2017年、長年並びながらも別々に走っていたふたつが遂にひとつに… と言っても2台入りなのではなく2in1選択式キットで、マークUかチェイサーどちらか1台しか作れない。 普通…というか同社の他のバリエーション、例えばセドグロどっちか作れるというキットであればボディ以外のパーツは1台分で済むはずなのだが、前述の通りマークUとチェイサーでウインドウパーツが違うのでクリアランナーも2枚入り、更には1代前のキットと同じくめっきのシートやステアリングも入っており、2台作れそうで作れないというお得なんだか微妙にもったいないんだか判断に迷うパーツ構成になっております。 |
2002年、ついに2台入りに。 2台入りと考えればお得なお値段ですが、どっちかしか要らない場合は… |
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・LS マークU2600グランデ |
今はなきエルエスの初期型マークU。販売時期が短かったようで、今となってはかなりの貴重品。 左下に「ディスプレイタイプ」と書きながら右下には“MOTORIZED”と・・・ 当時は内装を上げ底トレー式にしてもモーター駆動の電池スペースを優先した「競技専用車」的なキットも多かったので、恐らく「細部までよく再現されて鑑賞にも充分堪える商品ですがモーター走行もできます」と言いたかったのだろうと好意的に解釈してみる。 |
ドア、ボンネットが開閉式。 エンジンルームは上げ底トレー形、フロントシートはコンソールとフロアまで一発抜きのワンピースというやや変則的な構造。 だいぶロー&ワイドにデフォルメされているが、LSらしい好感の持てるディティールと相まって、作りは決して悪くない。 |
ボックスサイドが色々とツッ込みどころ満載。 日本語がおかしい件については念の為申しておきますが30ウン年前はこんな日本語だったというわけでは決してなく、当時の眼で見てもおかしいものはやっぱりおかしいです。 確かに広告なんかは色々とおかしい率は高かったですけど。 |
やっぱりモーターライズで走行させるニーズが重視されていたことが伺えるカット。 左にちらりと写っているが、トランク下の電池ボックスの他に更にもう1本追加積載するためのパーツも付けられている。 もっとも説明書では並列接続するように書かれているので、スピードを速くするためというわけではないようだ。 |
完全に見逃していたのだが、よくよく見ると中箱の仕切りに描かれたバリエーションに230ローレルが。 後述のダイワ製が唯一のモデルかと思っていたのだが、1/24も存在したのだろうか。 こうやって描かれているのに「存在したのだろうか」って何だと思われるかも知れないが、何しろ見たことはもちろん話すら聞いたこともないので・・・広告に書かれたものの発売はされなかった例などもままあるわけで、せめて箱絵だけでも見ないことには俄かには信じられない。見ないとというか見たい。すごく見たい。 |
改修されて後期型になった後のキット。キットとしては後期型の方が圧倒的に流通量が多い。 後期型は白ボデーのイラストのパッケージもあるが、これは箱に「最新型を忠実に再現しています」という記述があるので改修直後のものではないかと思われる。ディテールがよく描き込まれている 金型改修の結果前期モデルは自動的に絶版となるからか、同じキットナンバーが続けて使われている。 初期製品と違い、選択式キットである旨が(DISPLAY TYPE)―(MOTORIZED)とわかりやすく書かれている。これならわかります。 |
外観はホイルキャップを除いて完全に後期型になっているが、内装は3本スポークのステアリング、シートのデザイン等全て前期型のまま。ボンネットを開けるとキャブのエアクリーナーケースが・・・細かい所ではホイールがシャフト打ち込みからポリキャップ式に改良されていたりする。 この写真で気が付いたが、どういうわけかインパネは左ハンドルの裏焼きにしてしまったようで、時計も灰皿も右寄り、メーターはスピードもタコも振り切っている。2600でもこんなにスピード出るかどうか・・・厳密なことを言うとエンブレムに「2600」のバッジが付いているのは箱絵だけなので、キットとしては2000グランデのようですが。 作例はヘッドレストとシート側面を塗り分けしてしまったので、前面ファブリックの4気筒車のような雰囲気。 そう言えば作例でカットモデルなんてのもめっきり見なくなりましたね… |
更に後年のもの。 このキットはご覧の通り「金華山」と称して、植毛パーツ仕上げが出来るようにパイル粉(赤、青、緑、紫、水色のうち3色)と木工用ボンドをセットしたもの。全然似合ってないスーパーボルクを履いてるところが’85年。勿論このようなキョーレツなパッケージのモデルだけでなく、同じ内容でも「エレガント」シリーズとしてちょっとシックなパッケージのものもありました。 ・・・にしても、内装はともかくサイドモールやミラーまでモコモコにしてどうするよ・・・ 封入されていたカラーチラシでは、330ライトを付けた黒いヨンメリがバンパーをまっ赤なモコモコにされていて笑う。 ・フジミ コロナマークUグランデ4ドアセダン / チェイサー4ドアセダン |
まさかまさかの、21世紀も10年も経ってからの4ドアセダンキット化、しかも怒濤のパーツ割りによる2車種の登場。 しかしながら多くの期待の声とは裏腹に、大々改造でもしない限り何をどうしてもまともなノーマル状態には到底組めない、改造状態&意味不明な変造状態でのキット化。 ディティールは異常かつ不必要とも思えるほどの精密さでありながら基本骨格がぐだぐだという改造するにも最悪のパターンである。 キット化されただけでも大喜びではあるのだが、せめてホイールアーチだけもう少しマシな状態であったならと、返す返すもつくづく残念無念の極みと言わざるを得ない。アオシマの決定版としての座もこれで揺るぎないものとなったと言って差し支えないのではないか。 詳しい内容については本館にキット発売直後に作成した緊急特別レビューがあるのでそちらをご覧ください。 いやそれにしても・・・もうちょっと何とかならんかったのか? |
1/32スケール |
・ダイワ チェイサー2000SGT |
これはまず知られていないであろう、ダイワ製1/32。ワタシも初めて見た時はひっくり返りそうになった。 「ハイパワーゼンマイ付」の文字で察せられる通り、中身は典型的B級チープキット。 しかも箱絵はセダンなのに中身は2ドア。グレード名も間違えてるし。 |
古式ゆかしい、上下2分割ボデーのチープキットスタイル。 このタイプのキットとしては最後期ではないかと。 |
薄い。 どうやらセクショニングされているようです(笑) 正直、組み立ててもチェイサーに見えるかどうかは微妙なところ。 |
このダイワ製キットのエポックはむしろ、3代目ローレルがラインアップされている点だろう。 大変貴重な3代目ローレルのキットである。例え出来がこんなんでも。 因みに他は、シボレーモンザ、ムスタングマッハ1、ポルシェ928、フェラーリ512BBとメジャーとマイナー入り乱れたシリーズ性も何もない無茶苦茶なラインアップ。ムスタングUなんか果たして組み立ててもチェイサーと見分けが付いたのだろうか。怪しいものである。 |
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