チェイサー日記(オーディオ交換篇


長いのでオーディオ交換篇だけページ分けました
→まだ続きます






MDを聴く方法を模索していたわけなんでありますけれども、ある日通りすがりのドライバーズスタンドにふと立ち寄り、オーディオコーナーをぶらぶらしていたらサンヨー製の1DIN・MD/CDデッキを発見。もう見た瞬間、
キタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
コレだ!コレしかねえぇ――!!』という感じですぐさま大声で怒鳴って店員を呼び付け、「「コレくれ今すぐくれ早く寄越せとっとと持って来んかいゴルァァァと言うわけは勿論なく、ここは落ち着いて品番を暗記、店を出るやすぐさまメモって帰宅、例によって例の如くヤフオク検索スタ――ト!

とは言ってもこれ新製品のようで中古は当分出そうになく、また同じ理由からかショップ出品の値引きも渋い。結局『価格.com』の一番安いところから通販で入手(33%引き)。ヤフオクだとたまに儲けギリギリみたいな値段で出される事があるので、時間をかけて粘れば安上がりな場合もあるのだが。因みに何で高いのかよーく調べたらMDLP対応になってたんである。んなモン要らんっつーのに。

んで何でコレよ?って話だが、見て下さいこのゴツゴツと無骨でブサイクで野暮ったいデザイン。このフェイスデザインを最初に見た瞬間、ワタシの脳裏でやはりゴツゴツと角張って洗練されていなかった当時の「カー・コンポ」、そして昔ウチにあったたぶん同じ頃のシルバーのラジカセのデザインとダブって見えたのだ。写真で見ると「そーかぁ?」と思われるかも知れないが、少なくともワタシの眼にはそう見えてしまったし、一旦そう見えてしまうともうそういう風にしか見えない。全く思い込みって怖いデスね。

因みに型式はCDF-MS11(S)、(S)がシルバーの意。他にブラックボディ&アンバーイルミのものもあります。





純正ラジオは勿論DIN規格サイズなわけはないので、取付け金具を何とかしてどうにかしなくてはならない。更にラジオ部の化粧パネルはシルバー部分だけでなくラジオの部分(“TUNING”とか書いてある黒いとこ)まで一体成型で、ラジオのノブ2本を使ってボルト留めという方法になっているので、新しくデッキを入れるためには真ん中をくり抜かなければならない。いずれの工作も難しくはないが面倒臭いという内容である。





化粧パネルはストック部品の中から割合マシな物を拾い出し、まずは傷付けてはいけない部分をマスキングテープで養生して準備完了。大まかにペンチで千切ったらピラニアンソーで刻み、カッターで削り、ヤスリで擦り合わせていく。カットラインはやはりマスキングテープを貼って目安とする。カッターの刃が滑ってシルバーの部分に傷が付いたらパーだから、テープは何枚も何枚も重ねておく。布テープ等なら尚良し。

どういう訳か、と言うか全くたまたまの偶然なのだろうが、ラジオ部の黒いところをくり抜くと幅が新しいデッキの表示部と計ったようにドンピシャリ。サイド部を見た目に違和感なく切り取るのは少々難儀なので助かる。ただ上下幅は少し足りないので、目立ちにくい上面をカット。写真で裏の黒い部分、バックの白が反射したとこがブツブツデコボコしてるのは、削っていてカッターの刃が食い込んだ跡である。苦闘を察していただきたい。

仮にも模特士の端くれとしてのプライドでもってそこそこキレイには仕上げたが、モデラー的視点で見ると『プライドってヤツも最近は安くなったもんですなぁ』といった出来。しかしクルマのパーツとしてはこの程度で充分だと思う。そう思ってくれ。だいたいそんな事言い出したらシルバーの塗装吹き切れてないとこ(右側側面、画像でもわかるでしょ?)とかも直さなくちゃならないし。元部品の品質に合わせた仕上げという事で。






表面がそこそこに出来たので、次は取付け金具をやっつけなくてはいけません。
純正ラジオはいくつもストックがあるので、仲良く並べて金具の取り付けポイント、形状寸法を探る。





当初は件のエーモンステーを切って曲げてと考えていたのだが、純正ラジオと並べてじっくり観察してみると、元の金具のネジ穴と殆ど同じような場所にお誂え向きの(ように見える)穴がある。これはもしかするとどうにかなりそうですよ?

L字形の純正ラジオ取付け金具を取り外し、元々のラジオ側ネジ穴をベビーグラインダーで長穴に。んでもって横に90度回した上で上下をひっくり返し、元のダッシュ側穴を使ってデッキに取り付け。画像で先っちょにツメの出ている左側が本来ラジオ側になるわけだ。





んでもってデッキをダッシュボードの穴に放り込んでみると、これがまたまるで専用金具であるかのごとくドンズバのバチピタで入ってしまう。ダッシュ側の受けの幅には制約があるのだが、もうそこにホントに計ったように透き間さえ開かずにスッポリ収まってしまうんだから笑いが止まりません。偶然もこう狙い澄ましたように続くと、何だか神の意志みたいなものさえ感じます。

手前側の金具はデッキにイイネジ穴がない、というか↑の画像でも判ると思うが前面付近には穴がないので両面テープ付け。陰痴奇の香り漂う・・・っていうか実際思いっ切りインチキだが、実は奥の金具だけでデッキは充分固定されている。手前の金具はフェイス部分を全体にもうちょっと左・・・とか左側だけ気持ち上にあげて・・・といった位置の微調整をしているに過ぎない。最初は真面目にエーモンステー細工で作ろうかとも思ったが、スペース的にかなり厳しいし、これでフェイス位置がピッタリ合うように曲げるのは多分かなりの難易度である。奥の金具であれだけの奇蹟を見たのだから、ここはあーでもないこーでもないはナシに気持ちよく終わりたいじゃないですか。どんな理屈か。

手前側は例のツメを残しておくと化粧パネルに当たるので、サンダーで削る・・・よりペンチでむしった方が百倍早い。どこまでも手抜きだな。





とりあえず作動確認。
電源コード類は元のカプラーから平端子で中継。イルミネーション・・・元のラジオにはないのね(ラジオ電源投入で照明点灯)。仕方がないのでライターの照明から採る。ついでに+B(常時電源)もライターから。何故かこのクルマ、ライターに本来のACCでなく+Bが来ているのである。エンジン切ってもナビが点きっ放しなので気が付いたのだが、何でだろ?

スピーカー線はとりあえず出来てるリヤのみ・・・と言いたいところだが、スピーカー配線に問題発生。
純正システムは前ダッシュボード上に1スピーカー+後ろトレーに2スピーカーのステレオ。それでステレオかよって思うかも知れんが、後ろはちゃんと左右にあるのでステレオなのだ。で、予定ではデッキの左右フロント出力を+−それぞれまとめて1本にして前スピーカーに接続しようと思っていたのだが、デッキの上面に「−端子を左右で共用したりするとデッキがブッ壊れるぜブラザー」とか書かれているのである。それじゃ左右まとめる訳にいかんじゃないか。
更に悪い事に「車両側の配線は−が左右共用になってる事があるから使うんじゃね―ゼ」等ともある。このクルマ配線図見るとリヤ−端子思いっ切り共用してるんですが。ラジオ側のカプラーを見ると黒のコード色は同じながら端子が2個付いているので、もしかして色同じでもちゃんと分かれてたり・・・と淡い期待を抱きつつテスタ棒を当てるが・・・「ピ―――」空しく響く導通ブザー。んなら端子も1本にしとけyo!と叫んだところでどうにもならず。リヤは−コードを新しく引かなければならないのか・・・?フロントはどうすればいいのか・・・

それにしてもデッキ付属のコードが細い。常識的なコード径より明らかに一回り細い。ついでなので言うがデッキ背面のアンプのヒートシンクのフィンも、端面が切りっ放しでエッジが立っていて触ると痛い。あーだこーだと能書き垂れても、こんな所が所詮サ○ヨーか。





更に1個だけのフロント、この前リヤ用を作った時に無責任にも「フロント用も同じので付くと思う」等と書いたが、ストックのダッシュボードで確認してみると何とまあ、下に空調ダクトのインナーパネルが張り出していてリヤ用のサイズなんか厚くて全然入りゃしないんである。その下のパネルも磁石の部分を切り欠いた形になっているので、高さがギリギリだとこのスペースに押し込めない可能性がありそうだ。





何の話でしたっけ。ああ作動確認。とりあえずリヤは2個のスピーカー両方とも左出力に繋ぎ、MOT@R MANのMDをブチ込んでみる。

「♪(偽ATOS) まもなく2番線に上野・池袋方面行きが参ります・・・」
とりあえず鳴りますな。とりあえず良かった。

「・・・秋葉原 秋葉原です ・・・山手線の池袋行きです」
んが。バランスで左に一杯寄せてるのに、右の音が全部出てないぞ。フツーこうすれば左から左右の音全部モノラルで出るわけなんだが。なんかヘンだ。つーか明らかにヘンだ。だから所詮サ○ヨーとか言われるんだ。

「京浜東北線の東神奈川行きです 次の停車駅は川口です」
それより何だ。スピーカー交換した後に出てたブツブツノイズがまだ出てるじゃないか。純正デッキのせいじゃなかったのか??

「JR最強を誇る埼京線、最強の各駅停車赤羽行きです」
ブツブツ、というかビリビリ鳴っているのは右リヤ。コードを抜き差ししても変わらず。たぶんないとは思うがエンジンノイズ?とエンジンをかけたり止めたりするも症状は同じ。前述のようにスピーカー自体は中古品、もしかしてスカを掴んでしまいましたか?

「・・・人生失敗なさっても、ホーム先端付近、踏切、跨線橋等からの軽はずみな行動はご遠慮下さい」
どっちにしてもスピーカーを外さないと話にならない。んでもなんでコレはこんなに外しにくい作りに・・・考えたの俺だ・・・えーいもう・・・ポキッ。ステー1個取れてもうた。まぁイイや、どうせスピーカー換えるんなら外さなきゃ・・・?



ここで写真に注目。前回ステーの間にアクリルパイプの輪切りをスペーサーとして噛ましたわけですが、当然ボルト2本留めなので使うスペーサーは2個。ところが?スピーカーを外してみたらスペーサーが何で3つある?


あ゛。わかった。


実は右スピーカーを付ける時、スペーサーを1個紛失しておるのです。落としたと思ってトランク内を散々探したけど見つからなくて、てっきりマットの端からトランクフロアの奥へ落ちて行ってしまったものとばっかり思っていたが・・・よもやスピーカーの中に落としていたとは夢にも思わなんだ。このスペーサー君がスピーカーコーンの上でビートに合わせて踊っていたわけね。そりゃビリビリ言うだろうよ。

折れてしまったステーは5分硬化のエポキシ接着剤で付け直し。ああバカみたい。とは言えハッキリと原因が判るというのはそれはそれでスッキリして気持ちがよいと言えば言えなくもない。





フロントスピーカーは前述のように、13×18は厚みがありすぎて無理っぽい。同じ楕円でも10×15(日産用)ならモノを選べば何とかなりそうだが、入手先がahooオクとなるので「厚みを教えて下さい」と出品者にいちいち質問するのも難儀である。ということで素直に円形スピーカーにしておく。

リヤ用が手に入れられなかったので、こちらは半ば意地になってアルパインを落とした。上が12センチ、下が10センチ。少しでも大きく・・・と当初は12センチを使う予定で、10センチはもしスペースが足りなかったりした時の補欠のつもりだったのだが、いざ結線して聴き比べてみると10センチのほうが音がいい気がする。もちろん音がいい方を使うのは言うまでもなく。

因みにこのSTS-102R、新品だと14k円近くしたのであります。小生などはカネがあっても決して買おうと思わないような値段であるが、やはり値段の高かったモノはそれなりにコストが掛かっていて、多少古くなってもそれなりに良いという事ですね。





ステーはまたエーモンステーSUS304、何の事はないリヤ用に使ったヤツの残り。穴位置が合わないのでリューターで長穴にしてネジ留めするだけ。スピーカーのミミと金具の間はスペーサーの意味も兼ねて、チョロQのリヤタイヤをブッシュ替わりに。往年のレーシングタイヤみたいにショルダーのエッジが立っているタイプのタイヤはいいんだけど、そうでないサイドウォールもトレッド面もぶくぶく膨れたあのタイヤは見るに耐えないし、こうやってでも使わなきゃ何の役にも立ちませんやね。
スピーカーの周囲はダッシュパネルと触れた時の用心にスポンジテープで囲う。いや、基本的に接触しないはずなんだけど。念のため。






取り付けスペースに対するスピーカーサイズ自体が問題ない事は既にストックのダッシュボードに当ててみて確認しているが、車両に取り付ける場合は至極当たり前にダッシュボード自体はクルマに据え付けられているわけで、スピーカーは徒競走のハシゴ潜りよろしく、設置スペースまでダッシュパネルとアングルの透き間をくぐり抜けないといけない。取り付けスペースギリギリの大きさのスピーカーASSYをこさえてしまうと付けるに付けられないという可能性はある。当たり前だがウッカリ忘れそうになるポイント(ワタシだけか)。

スピーカー脱着のためには修理書だとセンターパネル、グローブボックス、更にメーターASSYを外すように指示されているが、センターのエアダクト上の透き間から何とかタッピングビスが緩められるので、メーターは外す必要がない。旧スピーカーはリヤ用と違ってスピーカー側に端子はなく、ラジオ側にカプラがあるだけのコード一体型。取り外す前にカプラーの先に新しいコードを縛ってスピーカー取り外しと同時に取り回しておくと、後でラク。

しかしスピーカーを改めて単体で持って比べてみると、あまりの重量の違いに驚く。試しに計ってみるとぺなぺなの旧スピーカーが300g、スピーカーコーンと大差ない径のばかでかいマグネットが付いているアルパインはちょうど倍の600g。こんなに重いのをぶら下げたらダッシュパネルが歪んだりしやしまいか・・・等とちょっとだけ考えるが、そんなわきゃないか。こんなモンで歪んでしまうとしたら、真夏の炎天下に駐車しだだけでダッシュパネルはベコベコに波打ってしまうだろう。


さて懸案だった前後スピーカーの配線の件だが、作動確認のために暫定のつもりで左出力を左右両側のリヤスピーカーに繋いだ状態でボンヤリ聴いていたら、突如として脳内に神降臨(大袈裟)。
前述のようにリヤの左右スピーカーに左右それぞれの音を出させようとすると線を1本引き足さなければならず、またフロント側は左右どちらかの音を諦めるかまたはどこかにフロント側の隠しスピーカーを追加しなければならない―と思っていたのだが、何の事はないこの仮配線の状態のままでフロントスピーカーに右出力を繋いでやれば、ちゃんと左右の音を出せるではないか。ただし左右でなく前後ステレオになってしまうが。





作業と直接関係ないが、グローブボックスを外してまたしても新車組み立て時のチョンボを発見。中央の楕円の穴、本来グローブボックスの蓋のストッパー金具が通るのだが、ご覧の通りその側面に金具の擦れた後が付いている(ちゃんと穴を通っていなくても、とりあえずダッシュパネルのフチに金具が引っ掛かるので、フタは適当なところで止まる。)
本来あってはいけないのだが、人間が組み立てる以上作業ミスというものはどうしても起こり得る。完成検査でもウッカリ見落としというのは完全には防げない。そしてこういった些細なミスや僅かな品質不良が積み重なった時、クルマに限らず工業製品における「当たり」「ハズレ」というものが発生する原因となる、のだと思う。そして「ハズレ」の製品の場合、往々にしてトラブルが出たり、あるいは不具合が多くてオーナーの愛情が得られなかったりで、永く残らない確率が高い。


正直に言ってこのチェイサーはクルマとしては「ハズレ」に近いものだったのではあるまいか。パーツの組み付けミスも既に何件か発見しているし、ミスとは言わないまでもぁゃιぃ箇所も少なくない。グローブボックス下部のタッピングビスは、4本のうち1本だけ長さの全然違うものが付いていた。





紆余曲折を経て、とりあえず装着完了。

化粧パネルは現状では薄手の両面テープで貼ってあるだけ。ビビリなどが出るようなら、もう少し強力なものに変更する予定。

フロントスピーカーも含めて試聴してみるが、まずまず満足できるレベル。今まで左右から聴こえて来ていた音が前後から聴こえるのは多少違和感があるが、前がシングルスピーカーなのだから致し方あるまい。たぶんリヤだけちゃんと左右ステレオに直しても大差ないと思われる。
現状ではデッキ出力のリヤ側しか使っていないので、丸々空いているフロント出力を使ってツイーターなど追加してやれば、もっと囲まれ感が出せると思う・・・が、散々苦労してここまでやって後付けツイーターが丸見えになっているなど到底許せるものではないのでやらない。後付け丸見えでも構わない人には帝国電波(シツコイ)の高級スピーカー付属のものなど、結構小さい上にクローム仕上げで割と良さそうですよ。バカ高い(私見)けど。

もっとも、その気になれば左右空調ダクトの中にツイーターを仕込むという手もないわけではない。ただしそのためにはどうしたって吹き出し口自体を一旦外す必要があるわけで、吹き出し口を外すためにはよほど知恵の輪が得意な人でもなければダッシュボード本体を外す必要があるだろう。そこまですんのはバカ臭いという方にも、助手席側ダクトの下には10センチスピーカーなら余裕で入るスペースがあるので、ダッシュ内に隠しスピーカーという手も。運転席側は吹き出し口すぐ下がコインポケットだが、島村伍長殿のマークUに付けられているので出来ない事はないだろう。ワタシはメーターを外したくないのでやらないが。


デッキの組み付けは完了したが、まだコンソールのカセットデッキのあった穴がふさがっていない。ナビのスタンド移設も視野に入れつつ、後日対応予定。





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