チェイサー日記(路上抗争篇)
2003年3月〜4月


→続きあります


無事に登録完了し、10年ぶりの路上復帰を果たした壱号車。
しかしながら、10年のブランクは決して小さくはない。
リハビリの日々が続く。






最初の試運転時に気付いた事だが、タイヤからと思われる微振動がヒドイ。

タイヤ自体は山は充分、四半世紀前のものだというのにヒビ割れなども全く見受けられない。そのためそのまま車検を通す事ができた。
しかし10年間動かさずにいたとすればフラットスポットができていても何ら不思議はない(酷い時はホイールまで歪んでしまう事さえあるそうだ)。それに見た目は何ともなくても劣化しているのは明らかである。あまり信用はできない。





とりあえずタイヤを新品に・・・と思ったが、新車時のタイヤも棄ててしまうのは少々勿体ない。そこで新品タイヤは別のホイールに・・・と思ったが、生憎余分なホイールはない。解体屋でスチールホイールを買って来ようかとも思ったが、21世紀の今更、わざわざ鉄チンホイールを選ぶ事もあるまい。フットワークを少しでも軽くする意味でも、アルミにするべきだ。
零号車が履いているGX71の純正アルミを使おうかと思ったが、あまりの汚さに断念。そもそもこのホイールも「トヨタ純正アルミの中で一番似合いそうなのを」という選択基準で選んだ物で、このクルマにはそれほど似合わない。どうせなら似合うホイールを使ったほうがいい、だが今からホイール選びを始めていたのでは、ダメ出し試運転が一向にはかどらない・・・鉄チンならすぐ手に入るがしかし・・・零号車のホイール磨いてたらいつになるか・・・と逡巡した結果、半ば仕方なしに保管してあった純正オプションのアルミ(極上品)を使う事となった。





このアルミは何年も前に都内のマニアの方から譲っていただいたもの。中古だが極美品なので正直あまり使いたくない。勿体ない。
純正アルミは座金タイプのナットを使う必要があるので、零号車からキレイなのを12本かき集め、残りは以前解体屋で一山いくらで買って来てあったものの中からマシなのを拾い出した。ホイールと寄せ集めナットを持参して、近所のタイヤ屋でブリジストンのB700を4本購入。旧ホイールとタイヤはお持ち帰り。
ウチへ帰って来てから旧タイヤを降ろそうとすると、トランクの隅に膨らんだビニール袋が・・・何だ?と思って持ってみるとズッシリ重い。もしかして!と思って開けて見るとピカピカのアルミ用ナットが。当時ホイールと一緒にナットも一緒に譲っていただいていたのだった。手をドロドロにしてナットの錆落としをした意味が・・・

しかし、自分としては伝家の宝刀のつもりで引っ張り出した純正オプションアルミなのであるが、予想に反して想像していたほどカッコよくない(それなりに決まってはいるが)。元々ホイールキャップがホイール径より一回り小さいタイプあるため、アルミにした事で本来のホイール径がハッキリ見えるようになり、外観バランスのアラ(絶対的には小さいホイール径、高い車高、エプロン位置の高さ、等)が目立ってしまっているような気がする。シャコタンにすればかなりカッチョよくなる気はするが・・・
社外ホイールも考えないわけではないが、どうもこのクルマに似合うホイールが思い付かない。当然当時モノのホイールという事になろうが、どうしてもヤンキーテイストになってしまう気がする。候補としてはハヤシストリート位だろうか。やはり旧いクルマ、特にオヤジセダンは純正ホイールキャップが一番平和である。

タイヤ交換の結果、振動は随分減ったが、それでも完全とは言い難い。後はサスペンションの問題だろうか。








かねてよりの懸案のひとつであったヘッドライト問題の解決を模索すべく、マルチリフレクター・ヘッドライトを購入(スタンレー製)。もちろん試しになので1個だけ。

流石にイマドキのライト、レンズもケースも全て樹脂製。ライト単体では大変カッコイイのだが、問題はマッチングであり・・・とりあえず零号車に取り付けてみる。うん?悪くない・・・か?





・・・?と思ったのだが、いざ壱号車に取り付けてみると・・・



あかん。
あかんあかん。
絶っ対あかん。




この違和感っぷりは何であろうか。

何と言うか・・・たぶんこのクルマでも例えばシャコタンにして最近のラージホイールを履いていたりとか、そういう外観のアップデートが計られていれば、それほどの違和感はないのかも知れない。ところがコイツはバリバリドノーマルのオヤジセダンな訳で、そこへこの流行最先端なイマドキ感が激しく拒絶反応を起こすのだと思う。

因みにワタシはこのランプを付けた状態を見て・・・小さな本屋の店主である髪の薄い冴えないオッサンが、ある日突然機械の星に逝って機械人間になって戻って来ていて、よくその本屋を利用している客がふとそのオッサンの眼が機械(松本零士的メーターみたいになってるところを想像されたい)になっているのに気が付いてボーゼンとした時くらいの違和感・・・を感じた。ワケワカランと思うが何故か無性にそんな絵が浮かんだ。

とりあえず小糸ハロゲンに戻す。







折角の長期車庫保管車、いつまでも雨ざらしにして置く訳にはいかない。とりあえず車体カバーを被せてはいるが、ホームセンターの5k円程の安物は水は通すし、蒸れるし、擦り傷は付くしであまりイイ事はない。と言う事で、某社製ポータブルガレージを購入。
パイプ車庫とどちらにするか散々迷ったのだが、購入の時点でまだどこに設置するか決めかねていた(ポータブルタイプはアンカーを打たなくても、左右底面に渡したパイプをクルマで踏んづけておけば動かない)し、パイブ車庫だと余程高さや幅に余裕のあるものでないと、車庫に入れたままではボンネットを開けたり整備をしたりする事ができない・・・と思い、結局こちらになった。





添付のコピー説明書はさほど懇切丁寧ではなかったが、構造自体格別ヤヤコシイモノではなかったので、組み立てはそれほど難しくなかった。ただし幌を被せる作業だけは一人ではかなり大変であろう。今回はウチのオヤジが面白がって「手伝ったる」と言い出したので、これ幸いと手伝ってもらい、2時間程度で難なく完成と相成った。

写真でもお分かりと思うが、この日は気温はさほどでもなかったがいい天気であった。無事幌を被せ終わり、パイプとヒモで結ぼうと中に入ってフタをしてみると・・・暑いのなんの。サウナだこりゃ。
暑いのは置いておいて、幌の縫い目から結構光が漏れているのが目立つ。ある程度は構造上仕方ないとは思うが・・・ご丁寧に縫い目の透き間に貼るためのカッティングシートも付属していたが、それではとても足りない。手持ちのテープを使用して対応する。





設置した週末には早速雨が降った。雨ざらしにならなくなっただけで随分と気が楽であったが、雨の上がった翌日にフタを開けてみると、物凄い湿気と熱。文字通りのサウナ状態。

熱はある程度仕方ないとして、この湿気は問題である。下が何もカバーされていないので、横からどんどん雨水が侵入してしまうのだ。ホームセンターでブルーシートを物色すると、計ったようにピッタリのサイズが見つかったので購入。たったの1k円。ブルーシートってこんなに安かったのか・・・

幌の透き間は設置時にできる限りシールしたつもりだったが、それでもボンネットの上に小さな水溜りがいくつか出来ていた。とりあえずは今までのカバーを使うつもりでいたが、その晩ヤフオクでチェックしてみると裏起毛タイプの高級カバーを安く出品している業者さんを発見。車体サイズから選ぶと丁度サイズ違いのボーダーライン上なので、フェンダーミラーである事を考慮すると大きめの方がいいだろうかとQ&Aで確認(アメリカ製の輸入物なのでフェンダーミラーは非対応)。やはり大きめの方がいいだろうと言う回答をいただいたので、車体長4.88m対応型、というのを落札。日本製なら5ナンバー枠でサイズを区切る所だが・・・9.8k円。

商品が到着してみると、予想以上に品質がいい。裏起毛の上に表面もビニール地ではなく不織布のようになっている(というか、畳んである状態で裏地だと思ったのが表だった)。厚みも結構あり、ウェザープロテクションにはかなり期待で来そうである。大量に仕入れているのでこの値段で出せるという事だが、確かに商品説明にもあった通りフツーに買えば安くても30k円はするだろう。非常にイイ買い物をした気がする。皆さんにもお勧めしたい商品である。





フロントのナンバープレートフレームはバンパーと一緒に曲がってしまっていたので、市販品で済まそうと思っていたのだが、いざ買って付けて見るとどうも見栄えがよろしくない(最近のはナンバーがバンパーに埋まっている物に合わせてあるので、妙に薄っぺらいのだ)。元のフレームを板金して装着する。
ヘッドライトの一件でも感じたがやはり「当時モノ」は平和である。

しかしこのフレーム、プレスのステンレス製なのだが、市販のスチール鋳物製フレームを持った後だと一寸ビックリするほどペナペナである。こんなんでナンバーの保護が出来るのだろうか・・・単なる装飾用か。







相変わらず、走行していると後ろ脚からの異音がする。
患部は明らかに右リヤ。段差等でサスが上下する際に「ゴトゴト」「ドコドコ」と音がする。タイヤが踊っているような感じ。

ダンパーがイカレているのか?と思い、ダンピングを見ようと停止状態でバンパーに手を掛けて揺すって見ると、何かゴムの擦れるようなギュウギュウという音がする。何だコレ?ブッシュに片っ端からCRCを吹き付けてみるが、直らない。前述の異音とは明らかに別のモノだと思われるが、音がしていい事は何もない。

ゴトゴト音はどう考えてもダンパーがクサい。とりあえずジャッキアップして右リヤダンパーを抜いてみる・・・が、スカスカではあるがオイル漏れがある訳でもなく、特に異常は感じられない。その代わり、ダンパーを付け直す際にロアアームを上げたら件の擦動音が。スプリングとボデーの受け側のゴムシートが擦れている音であった。CRCで難なく解決。しかし肝心のゴトゴト音は何ら変わらず。

やはり犯人はダンパーとしか思えないので、とりあえず交換してみる事にする。交換に用意したのはトキコのガスショック、プロドラ-G。勿論当時モノ。この日のために随分前にヤフオクで入手しておいたのだ。ホント言うと手元にリヤ用ショックがこれしかないからなのだが。

写真右になるリヤ側にブッシュが入っていないが、コレは一般的なブッシュ圧入式ではなく、テーパーになっているブッシュを両側から入れるようになっているため。
こういう事↓だ。
     
  ‡   ←ボルト
 ◎   ←リテーナー
 ▼   ←ブッシュ
 ○匚 ←ダンパー
 ▲
 ◎
  ‡



実のところ、個人的にあまりガスダンパーは好みではない。とにかく硬くて。

クラタク号にカヤバを付けた事があるが、ノーマルサスに組み合わせた結果ロールが規制され、コーナリングでてんでグリップしなくなってしまった。スポーツモデルならともかく、普通の乗用車にはあまり合わないと思う。まぁ好みの問題もあるが。

因みにクラタク号はフロントがモンローのSENS-A-TRAC、リヤがそのカヤバのNew SRスペシャルである。コレだとリヤが硬いのでかなり曲がりやすくなった。フロントは2回ほど交換したが、リヤは最初に付けたっきりずーっと無交換で使っている。それでも今もってなおそこそこのダンピングを発揮しているから大した物だ。かれこれ10万キロ以上使ってるのに。と言う事で耐久性の点においてはガスダンパーの圧勝という感じである。

リヤサスはセミトレ、ダンパーの交換は全然難しくない。
ただ左側は何処かで擦ったのか、ロアアーム側のボルトの頭が思いっきり削れてしまっていた。削れて変形していたリテーナー(って言っていいのか?大き目のワッシャーみたいなの)共々、零号車のものと交換。





左を無事付け終えたところで、本題たる右側へ。

こちらも同様に難なく付け終え・・・と思ったが、どうもおかしい。
ロア側のボルトを締め込んでいっても、左の時のようなブッシュを締め付けていく感じが全くない。ボルトを締め終えても、ダンパーを持ってみるとグラグラ。明らかにおかしい。
ボルトが何か?と思ったが、抜いて見ても折れてる様子もないし・・・首を捻りつつ取り付け部をしみじみ見ていると、ロアアーム側のリテーナーがない事に気が付いた。これではブッシュが遊んでしまっても不思議はない。

さては元のダンパーのブッシュに張り付いていて一緒に抜けてしまったな?と思い、元のダンパーを見るが・・・付いてない。その辺に落ちたかと思い見回すが・・・落ちてない。
・・・・・・・・・

もしかして、異音の原因ってコレですか?

これならばサスが動くたびにダンパーが踊り、ドコドコ音を立てても不思議はない。てゆーかそうなるわ絶対。再び零号車の元へとって返し、リテーナーを取り外して装着。取り付け完了し、早速試運転。
異音の発生、ナシ。


ダンパーの取り付けボルトには黄ペンがされており、またダンピングの感触から言ってダンパーが交換されたとは考えにくい。つまり、まず間違いなく新車の組み立て時に付け忘れたまんまずーっと今まで来た、と言う事である。
誰だ組んだヤツぁ!と今更言っても仕方がないが、それよりも愕くべきは前オーナーがずーっとそのままにして来たと言う事である。音量から言って絶対気が付かなかった筈はないと思うのだが・・・

ただ、今回異音の原因究明と対策は無事完了した訳なのであるが、ダンパー交換という面で見るとあまり成功したとは言い難い。
何故って、やっぱり硬すぎ。

硬い硬い、走り出して最初の段差で思わず笑ってしまうほどの硬さ。サス動いてねーよこりゃ。後で別のモノに交換しよう。もし交換しなければ多分一生使えそうであるが。




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