アシェット スペシャルスケール1/24 国産名車コレクションVol.139
マークUHT2600グランデ(1976)






またふたたびの分冊百科、今度は1/24スケールでまさかの前期型マークUハードトップの登場です。

このシリーズは他に類を見ない驚きの車種がまさかの1/24で製品化される半面、車種によってディティール考証と組み立ての両面で出来に結構ムラがあるのが難点。
結論から先に書いてしまいますがこのマークUに於いては相当に「当たり」だと思います。買いです。
もっとも非常に品薄になってしまい正規に手に入れるのも難しい状況。ラインアップが発表になった時点でこれだけは逃がすワケにいかんとずっと網を張っていたので無事定価購入できました。


とりあえず前期型ならトヨタじゃなくトヨペット…てのはもうこれわたし一生言い続けないといけない感じなんでしょうか。
定期的に言う羽目になってますが。






ボデーカラーはエクストラカッパーメタ…にしては赤味が強いのですが許容範囲かと。カッパーでなくこげ茶っぽいですね。
このシリーズは塗色を一般的なイメージカラーからズラしてくることがたまにあるので、最初にパッケージ写真だけ見たときは(マジェスティレッドを選んだのか…渋いところを…)と思ったのですが、現物を見たらメタリックだったので真っ当にカタログカラーを狙ったようです。
もっともマジェスティレッドだったら内装色と食い違ってしまいますが(マジェスティレッドはグレー内装)。







全体のプロポーションは非常に良好です。微妙にヘッドランプが大きい気もしますが、シリーズの一部車種にあるようなギョロ目感はありません。

ただ…クリアランスランプとサイドマーカーの外側に銀縁をプリントしたのはいただけません。レンズ本体だけで寸法・形状ともに完璧だったので(パッケージの写真だと銀縁なしの状態です)、惜しいことに外形が一回り大きくなってしまいました。ただ画像で見ると結構気になるのですが、肉眼で見ると意外なほど目に付きません。

グリルとエンブレムもきちんと再現されています。本来グリルの網はもう少し奥まっているのですが、これも肉眼ではあまり気になりません。



パッケージ画像。







美しいサイドビュー。

ホイールキャップはメッキでなく塗装ですが、形状が適正なので気になりません。実物はステンレスの切削だということが無意識にあるせいもあるかも知れません。
流用のせいだと思いますがタイヤが小さいと言えば小さいですね。175/65くらいの雰囲気があります(実車は185/70)。
半面ミラーはわずかに大きい気がしますが誤差の範囲でしょう。ステーはちゃんとグレーに塗られています。
サイドシルが黒く塗られていますが本来前期はボデー色のままなので、その分の塗装をロッカーモールに回せればモアベターだったでしょうか。







リアビューも小尻な雰囲気がよく出ています。
トランクリッド中央のリブ(とキーホールもか)をお忘れなのが痛恨のミス…!

トランクエンドモールがやたら太く角張っていますが、ボデーのモールドは正しいので銀のプリントの問題です。どうも銀塗装がもう一つで色々損しているような…
その代わりここはちゃんと「TOYOPET」と入っています。えらい。
他のエンブレムも適切です。バンパーの丸頭ボルトまでちゃんとあります。リアだけですが。





ドアは開閉しますがチリが狭く、ヒンジも結構固いのでドアエッジを欠かないかヒヤヒヤしました。爪では無理です。

…それはそれとして、ベースに対して思いっきり斜めに固定されてるのはどうなの…
他の方の画像を見る限りデフォでこんな感じのようです。後で一旦車体を外して穴を修正して真っ直ぐにしましたが、ボデーを傷付けやしないかヒヤヒヤしました。





ダッシュボードはベージュ塗装の上から色挿しされています。やや物足りない感じはありますがコスト的にも仕方のないところでしょう。
黒内装なら気にならないであろう足元の奥行きのなさが色のせいで露呈していますが見ないふりをします。

ステアリングのガーニッシュが妙に立体的なので初めて見た瞬間にもうピンと来てしまいましたが、後期の内装を見ながら作ってしまったようです…ドアポケットあるし、サイドブレーキレバー茶色いし。
前期ですとガーニッシュは木目でも真っ平、サイドブレーキは黒色樹脂です。
その代わりパワーウィンドウスイッチがちゃんと左右対称でなく作り分けられているのは極めて好ポイント。
メーターはちゃんと前期です(丸4眼)。





センタークラスターはいっそ銀でベタ塗りした方が良かったかも…と思いますがこういう塩梅は判断の分かれるところでしょう。
グローブボックスのバッジが再現されているのは文句なしに凄いですね。

ちょうどチェイサーのダッシュだと段差があるあたりに一本線が入っているのですが、意図したモールドなのかパーティングラインなのか微妙な…







ダッシュボード上とパッケージトレイのスピーカーグリルもちゃんと彫られています。リアのが妙に大きくなっているのはリアシートバックの位置が本来より前過ぎたせいでトレイ面積が大きくなってしまったせいもあるのでしょう。
ワイパーはちっと形が違いますがまあ気にしない。ウインドシールドの指紋は私のじゃないです(元から)。

クォーターピラーのバッジが正円ないし少し縦長になってるのが惜しいのですが(本来は横楕円)、エアアウトレットのグリルがプリントされているのはお見事です。昭和52年からのカタログ見てると妙に印象に残るんですよねここ…





フロントシートの縫製パターンが違っているのが内装一番の残念ポイント。リアシートの方は正しいのでなおさらです。
ヘッドレストが昔のメルセデス(W116とか)みたいに尖り気味なのも合わせて妙に不釣り合いです。別に他から流用したわけでもないと思うのですが…





ベースの穴を直すために車体を外したので裏面をついでに撮影。
アオシマのキットでものすごく見慣れた光景が広がっています。
リジッドになってるなどと言うつもりはありませんがどう見てもマニュアルミッションだったりするのは…触れずにおきましょう。

…なんて揶揄するようなことを言ったあとで気付きましたが、これ燃料タンクの吊りバンドの締結部までちゃんとモールドしてある。すごい。





現代の製品ということでマニア視点で細かくツッ込んでしまいましたが、これで4千円なのですから文句のあるはずがありません。本来は。定価ならば。
気軽にお買いなさいと言えない状況がまったく無念であります。





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