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まずはプロローグ、360時代のカタログから。
流れから言うとフロンテバンにも触れるべきなのでしょうが、資料不足もありまたの機会ということで。
発行年月日の印刷の類が何もないのですが、幸い裏に“JUN 11 1973”の判があるので、1973(昭和48)年6月のものと思われます。
表紙についてはシミだらけで汚かったので、可能な限り修正してます。部分的にシミが残っているけど気にしない。
この頃はオイルショック前夜のまだハッピーだった70年代であり、「ディスカバー・ジャパン」かつ「モーレツからビューティフルへ」な空気が高まって来つつあったので、カタログにもそういう雰囲気のものが多いです。もっとも成功した例のひとつが「ケンとメリー」でありましょうか。
先代のフロンテバンの頃から、単なる商用車としてだけでなくマルチパーパスなクルマであるという風なアピールをしていたようですが、モデルチェンジと共に更にそれを強く押し出すようになり、とても軽ライトバンとは思えないカタログ構成。表紙からしてドライブに来て草原で遊ぶニューファミリー、そして「休日のハッチ」のコピー。
「これからのくるま OH!ハッチ」というのもばりばりに70年代テイスト満点。
「まったく新しい時代の始まりを告げる、まったく新しいタイプの車がついに誕生!」 最初の見開きが黒バックの流麗な?シルエットの写真、もはやライトバンではないという勢いです。 |
インパネはスティングレイ・フロンテ(ハッチ登場時はまだ現行モデル、のはず)から流用。 ただしフロンテの2眼メーターの場合2つのメーターを合わせて横長の六角ナセルにまとめられていたようなのが、こちらはメーターごとに角形フードが付くデザインになっている。 ちょっと見えにくいですが、赤ステッチのシートがお洒落。 |
エンジンは2ストローク水冷2気筒のL50型、基本的にフロンテバンからのキャリーオーバー。 当時リアエンジンのフロンテに対し、ハッチがキャリイ同様FRレイアウトを採用していたのは比較的知られているかと思います。 |
かつてこれほどファミリーユースを強く打ち出し、かつてこれほど人生賛歌を高らかに歌い上げた軽商用車があったでしょうか? ちょっと感動的ですらあります。 この見開きをお見せしたいがためにページを作ったと言っても過言ではありません。(当初の主旨とズレてます) |
カタログの半分を過ぎ、ここまで来てようやく荷室の解説。遅いだろ。 |
ビジネスユースへのアピールをしても、最後はやはり人生賛歌へもどる。 グレードは普通の呼び方をすると上からスーパーDX、DX、ベーシック、経済車(エコノミー)といったところでしょうか。 「E」はヒーターレスでクォーターウインドウはめ殺しという、夏も冬も我慢の実に漢らしい仕様。でも泥除けとホイールキャップは付く。 |
諸元につきましては書き写すのもめどいんで、画像から直接お読みになって下さい。 |
追記:20140609
20250308画像追加
同型の別カタログ。 発行年不明ですが、ひとつ前のカタログにあった「新発売」の文言がないので、順番としてはここに入るのではないかと思われます。 基本的な内容はひとつ前のものに近いので割愛しますが、…と書いて長らく放置してあったのですが、次にご紹介する簡易カタログのついでで見開きだけでもスキャンしてお見せする運びとなりました。 |
休日のグラビアは最初のカタログとは全て別のもので、「家族で森に巣箱を付けに行こう」というストーリー。 …「巣箱」というのもなんか随分馴染みの薄いものとなった気がします。私も別に子供の頃よく触ったとかそういうことは全くなかったですが、それでも気持ちの上ではもう少し身近な存在だった気が… |
当時の目で見れば他愛のない休日の一コマだったかも知れません。あるいは当時の目で見てもいささか白々しいストーリーだったかも知れません。しかし恐らくもう永遠に、再びやってくることは二度とないであろう時代の欠片がここにあります。 …しみじみ見ていて思ったのですが、現代ならドローンで容易く撮れるような構図のこの写真も、当時は結構な苦心の作だったのでは…? |
車両の細かい違いとしてはシートの赤ステッチがなく、D仕様のボディカラーは白(フローライエロー)のみ。 D、B、Eと最高グレード以外全部白のみと言うのはいくら何でもあんまりでしょう。 …もしかするとこれが一番最初のカタログではないか?という疑念もあるのはあるのですが。 デビュー間もなく一旦落としたDのマスタードイエローを不評なのですぐ復活させた…というシナリオよりも、T推しのため最初にT以外には白しか設定しなかったものの、不評だったのでDにだけ塗色を追加してそれが後まで続いた…という方が流れとしては自然な気はします。「新発売」も第2版からアピール強化の意味で書き加えられることもあり得ないことはありません。 ただシートの赤ステッチが廃止されたのはいかにもコストダウン風であり、またひとつ上のカタログのスタンプの日付を信じるならば、いくらなんでも発売から2ヶ月で写真を撮り直すほどの変更をするとも考えにくい。真相や如何に。 |
追記:ここまで
追記:20250308
また増えました。6ページの簡易カタログ。 |
忘れていたというか違いをよく精査していなかったのですが、よくよく見るとこれがまた微妙に仕様が違う。 ↑の森の中の写真などはひとつ前にご紹介した「巣箱編」のものなのですが、インテリアの写真を見るとホーンボタンが違います。550時代まで使い続けられる丸に十文字モールドのタイプで、更によく見ると助手席にシートベルトが追加されており、更に更に別のページにタンデムマスターシリンダーの記述もあるので時系列的にここに入るのは間違いありません。やはりこのページに載せている順番で正しいのでしょう。 |
E仕様が廃止され、D仕様のミューズマスタードが復活。ただし今度はD仕様の白は選べなくなりました。 これまで表記のなかった「アシスタント側シートベルト」が全車標準になったのがわかります。 T仕様のみだった「アシスタント側ヘッドレスト」も全車に装備。 …48年版として続けて載せてしまっていますが、この辺りは既に49年になっている可能性が高い気がします。 発行年月が特定できないのでこのまま押し切りますが… |
こちらは年式不明、しかし前のカタログがごく初期のものだったので、こちらの方が後のものなのはまず間違いない。 簡易カタログだからってわけでもないんですがホントに何も書いてないんですよ。 車検の話が出ているので軽に車検の義務付けられた昭和48年10月以降なのは間違いなく、更に「49年10月からレギュラーガソリンの無鉛化が実施されますが〜」とあるので、それより少し前、49年半ば辺りではないかと。 ※49年5月〜11月の仕様と判明 前のものとは打って変わって、いかにも商用車らしく表紙からお店の前で荷積み中の1コマ。 人生賛歌はやっぱりやり過ぎだったと言うことでしょうか。 |
捲っていってもいかにも親しみやすい商用車のカタログという感じで、ごくごく「普通」。 アレを見た後では普通すぎて少々物足りない。 |
Eグレードは落とされ、T/D/Bの3グレードに。 出力が26馬力にダウンしていますが、エンジン関係で特に何をどうしたとかいう記載は見当たらない。時代背景からして排気規制絡みでしょうか。トルクは3.8kg-mと変化ないものの、発生回転数が500rpm下がって少し乗りやすくなったはず。 他には地味にタイヤ幅が0.5インチアップ。車高が10o増えているのはタイヤハイトも同時に増えたせいでしょう。 でも4面図の書き込みはそのまま。 |
こちらは更に時代を下って昭和51年版。 50年12月から550新規格になるまでの、最後の360ccモデル。 本カタログも一応あるのですが、内容的には要約されたこちらの簡易カタログ方が便利なので、こちらでのご紹介。 |
外観は前後ともバンパーが変更。 フロントは前面部に幅いっぱいの浅いエグリが設けられ、上級グレードはその部分にステンレスのモールが嵌ります。 リアはU字の左右の端の立ち上がり部分が車体の面まで引っ込められ、横リブのプレスが追加。 上級グレードはバンパーモールの追加だけでなくグリルの黒/銀の塗り分けが反転したので、同じ意匠のままでもちょっと印象が変わります。 クォーターピラーのエンブレムもホームベース形でちょっと豪華に。 |
それまでの最上級グレード「T」の更に上を行く「カスタム」が登場。 とは言っても装備としてはTとそれほど変わらず、『積載量を押えた(200kg積み)ソフトな乗り心地』が最大のトピック。 ワンサイズ太いタイヤになっているにもかかわらず車高も微妙に落ちており、乗り心地重視のばねに変更されたものと思われます。ひとつ前のカタログのように商用車一辺倒でなく、再びファミリーカー的な用途が示されているのもこれが大きな理由の一つでしょう。 内装色は『シックな焦げ茶色』。 |
エンジンが50年排ガス規制に適合。 細かいことを言うと、リヤゲートのダンパーが右1本になっています(積み卸しの際のアクセス性向上)。 凄く細かい事を言うと、テールレンズが一見同じようで新しいデザインに変わっています(3本ビス→2本ビス) |
追記:20140609
20250308画像追加
こちらが同時期のものと思われる本カタログ。 ※追記:20241018 画像修正しました |
このモデルだけ仕様を載せてないのは不完全だったと気付いたので追加しました。 各グレード一色ずつになってしまいましたが、当時の商用車、まして軽ですから別に珍しいことでもありません。 他のページはひとつ前の簡易カタログとほぼ同様なので省略します。 |
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