輸出仕様カタログ資料室
(後期型編)




『クレシダ』として世界中で愛されたマークU、輸出仕様のカタログ写真館後期型編。



▼英国 ▼西ドイツ ▼オランダ ▼スウェーデン
▼欧州仕様(仕向地不明) ▼スイス ▼北米 ▼カナダ
▼オーストラリア ▼ニュージーランド ▼南アフリカ




英国版、8p(79.12)


ボデータイプは前期型と同じくサルーン(セダン)/エステート(ワゴン)。
エンジンも4気筒2000で変わらず、国内向けは排ガス規制の関係で21Rに変わっていますが、輸出仕様は18R系のままのようです。
トランスミッションも4速/3速オート、エステートでもオートマチックが選べるようになっている。

国内仕様はクリアランスランプにセンターリムとトップマークの透かし彫りが入っていたのが、輸出用はレンズのみのシンプルなものに。
パッと見の雰囲気を変えたくなかったのか、前期モデルのカタログ表紙と殆ど同じアングルで撮影されています。





ステアリングがちょっとだけグレードアップ。
ワイパーが戻りきっていないっぽいのが気になる。

英国仕様にもかかわらず、何故かマイル表示のスピードメーターが付いている(内側の黄色の表示がキロ)。(英国はマイルが標準でした)







西ドイツ版、20p(発行年不明)


リムジン/クーペ/コンビのフルライン。エンジンは4気筒2000。
ベースグレードの「デラックス」と上級グレードの「GL」が設定され、リムジンとコンビのデラックスが4速フロア/オートマ、リムジンGLとクーペ(GLのモノグレード)が5速のみ。

GLにはホイールアーチモールの他、前期型グランデのフルキャップが付くのにサッシモールは付かないという…この辺の匙加減がよくわかりません。





リムジン・デラックス。

リアシートにNLRながら3点ベルトが付く。コンビも同様のようだ(クーペは2点式?)。
センターベンチレーターがあらぬ方向を向いているのが目に付くが、動きがあまりに極端なので別に戻すの忘れたのではなく「可動しますんやで」というアピールなのでしょう。





リムジン・GLのインテリア。

4本スポークウレタンのステアリング、カレンダー付きデジタル時計にシート地はモケット、チルトステアリングまで付くがタコメーターはなく(クーペには付く)、手窓。

ラジオは全車オプションのようだが、チューナー一体のカセットステレオが付くようですが、ビス丸見えのとても純正とは思えない装着方法が凄い。







オランダ版、16p(79.04)


セダン/ハードトップ/ステーションワゴン、やはり4気筒2000の18R。
ミッションは4速(セダン・ワゴン)5速(ハードトップ)/3速オート(ワゴン除く)。





とりあえず表紙とこの見開きを覚えておいて欲しいのでぃす。





グレード一覧のようなものがないので何とも言えませんが、写真が載っているところを見るにローグレードのモデルもラインアップされていたのでしょう。
(国内仕様のデラックス相当?それともスタンダード?)





国内向けにはなかった黄色のハードトップ。チェイサーみたい。







スウェーデン仕様、14p(79.12)


つい今しがた見たばかりの構図が。

スウェーデン仕様は4気筒2000、4ドアセダン、4速マニュアルのみ、更にシングルグレードという潔い?仕様。





これまたそっくりな構図。ただ色が違うと雰囲気もだいぶ異なる。

「Nya」がたぶんNewなんでしょうね。言うまでもなく全く読めませんけど。





先ほどからお気づきでしょうが、ヘッドランプウォッシャーが付いているのが特色。

アシストグリップに何かひっ絡まってるように見えるのはハンガー用のフック。
見るからに後付けでありわざわざ取り上げるほどのものでもないように思うのですが、ヨーロッパ仕様のカタログには何故かよく載せられています。





何気なく見ていて気付いたのが、巻末の諸元で4人乗り(4 passagerare)になっていること。
よくよく調べると4人乗りとしている仕向地が結構ある。別に欧米人サイズでは狭くて5人乗れないと言うことでもないと思うのですが。
因みに後席左右にも3点ベルトが付けられているのですが、当然中央席にはないのでしょう。







欧州仕様(仕向地不明)、24p(78.09)


これも前期型にあったもの同様、フランス語圏で左ハンの国向け、以外は不明。

またぞろ同じ表紙が…と思わせておいて、今度は同じように見えて同じでない。
車両そのものはともかく、床の素材を見るに撮影場所まで違う。
何故ここまで印象を似せる必要があったのかは勿論不明。紛らわしいのでやめて欲しい。





そしてまたしても似たような見開き。
オランダ版のそれと違ってちゃんとボンネットの映り込みがあるものの、微妙にズレているので「良く出来たコラ」の感じも拭えない。というか多分コラです。
こちらは床がレンガ組みですが、オランダ版は一見よく似たタイル張り風であることから、出来る範囲でなるべくそっくりにしようという意図が伺える。どこまでも手間のかかることを…

サイドモール、アーチモールにLシリーズの幅広サッシモール、更に前期グランデ用キャップと光りモノフル装備。更にモケットシートでその上「GRANDE」などと書いてあると一瞬誤解しそうになるが、グレードは「GL」。








前出のオランダ版と違ってグレードが明記されている。
ベルリーナだけスタンダード/デラックス/GLの3グレードが選べるが、ハードトップはスタンダード無し、ブレークはGL無し。
デラックスだとご覧のようにアーチモール無し、サッシモールは細いタイプ、キャップはLシリーズ用のタービンタイプになる。芸が細かい。

エンジンは他のヨーロッパ仕様と変わらず4気筒2000。
ミッションは基本が4速マニュアル、デラックス以上では3速オートも選べる。5速は何故かベルリーナのデラックスでしか選べず、スタンダードとデラックスのベンチシート車は3速コラムマニュアルになるらしい。





GLは先のドイツ仕様よりも豪華になり、ウインドウとドアロックもパワーになるものの、不思議とどのグレードにもタコメーターの設定はなし。





仕向地がわからないくらいの言語能力なので読んでも内容がわかるわけもないのですが、装備の説明の中にどうしたってツッ込まざるを得ないカットが。具体的には下段中央左寄りあたり。
本当に設定があったのか、また実際オーダーした人がいたのか…







スイス版、変形18p(79.12)


紹介の都合で順番が多少前後しますがご了承下さい。
こちらはスイス版だが、写真自体は1つ前の仕向地不要のものと同じ。
4気筒2000、セダンGL/ステーションワゴンの2グレード。いずれも5速か3速オートが選べる。





ここも同じ画像。
GLを“Grand Luxe”と紹介しているのが面白い。





ワゴンは外観がサッシモールやアーチモールまで付くのにシートやドア内張はレザー、でもステアリングやシフトノブは木目、荷室はカーペット張りというやや変則的に思える仕様。

アンダートレイが曲がっているのが気になる。







北米版79年モデル、10p(78年)


79年モデル。ボデーバリエーションは変わらずセダン/ステーションワゴン。
6気筒2600シングルキャブに4速のオートのみなのも同様。





画像の「デラックスセダン」では前期グランデ用のホイールキャップが付いているが、高級仕様の「ラグジャリーセダン」は後期型グランデ同様マーク入りキャップになり、グリル下のモールも付く。内装も含めて「デラックス」が前期型のセダン同等Lグレード相当、「ラグジャリー」がグランデ相当といったところ。

このキャップだと前期後期チャンポンになってしまう・・・と思いつつよくよく見たら、クォーターピラーのエアアウトレットだけが前期型用のままのようである。理由はこれまた全く不明。
(実車ではちゃんと後期型用でした。単に写真のせいでそう見えただけのようです)





表紙(というか裏表紙)のセダンでは左側にしかミラーがないが、ワゴンは右にも付いている。
どっちかが間違いなのかボデーによって分けていたのか…

見開きばっかりでA4のスキャナでスキャンするのめどいの何の…





こちらも北米版の80年モデル、14p(79.10)
セダンにも両方ミラーが付いている。





80年モデルになってようやくシングルキャブからEFIになった。セダンは「ラグジャリーセダン」のみになり、ハンドルはウレタンの4本に。パワーウインドウのオート機構は最後まで付かなかった模様。
ステレオはオプションなのだが、なんとカセットの他に8トラ!も選べる。







カナダ版79年モデル、6p(発行年月不明)


2600キャブ・4速オートのセダンのみと、前期型同様基本的に北米仕様と同様の仕様の模様。

基本は同じで写真は使い回しだが、律儀に前プレートを付けていたりするのが興味深い(合成ですが)。






北米同様デラックスとラグジャリーの2タイプの写真が載っているが、特にグレードや装備の差の説明は見当たらない。見開き程度の簡易カタログだからか、それとも実際は1グレードのみだったのか。謎。





ステアリング左に注目。

右ハンドルならコインリセプタクルの付くスペースに盲蓋がされ「無鉛ガソリンを補給して下さい」の注意書きがある(もちろん英語で)が、これまで左ハンドル車ではこのように四角く区切られてはおらず、ODノブ取り付けのエグリが一ヶ所あるだけで、表面がのっぺらぼうだった箇所である。
北米の80年モデルからオートドライブが付くようになったのでその対応のための改修だろうが、同じカタログの中でのっぺらぼうタイプのインパネも載っており、切り替え時期が不明である。

…どうでもいい?もちろんそういう意見もある。




同79年モデル、1枚(発行年月不明)


一枚物もあったので一応ご紹介。微妙に表紙が違う。





この際なので裏もご紹介。
バニティミラーってこんな限られた紙幅でわざわざ紹介するほどのもんだろうか…その癖何も写ってない鏡面だけアップにしすぎて何のこっちゃ分からなくなってるし。



同80年モデル、4p(発行年月不明)





カナダ仕様はやはり左ミラーのみの模様。







オーストラリア版、16p(78.09)


セダンとステーションワゴンのボデータイプ、6気筒2600に4速フロアか3速オートの組み合わせは変わらず。

またしても似たような表紙。ハンドル位置が違うので写真流用できるわけもなく、当然別の車両である。床を見るに前出の欧州仕様版と同じ場所での撮影ではないかとも考えられる。





ボンネットに柱が極めて自然に写り込んでいるので、恐らくこれが合成のベースとなったオリジナルのような気がします。さもなければ真面目に良く出来たコラ。





ステーションワゴン。見事なカエル色。
画像では判りづらいと思いますが、縦に3等分にラインの入った角張ったヘッドレストが使われている。国内だとタクシー用と同じ。普通のよりヘビーデューティなタイプなのだろうか?
グローブボックスのバッジは写っていないので国内仕様と同じ位置になったのでしょう。







ニュージーランド版、4p(発行年月不明)


これはちょっと変化球、裏表紙に小さく"GL Edition"とあるパンフレット。
短期の特別仕様車か何かだったのか、それとも常時販売されていたのかは不明。





表紙/裏表紙は使い回し、内装の写真も全然ないので細かい装備だけの追加かと思ったものの、装備の列記をよくよく見ると"Crushed velour seat covers"とか"Wood grain steering wheel"などとあるので、他の仕向地にあるGLグレードと同じ内容の仕様のように見えます。
ということはわざわざエディションと付いていても別に特別仕様だとか「GL仕様にしたDX(車体型式上はGLでない)」などではなく、単に普通に設定のあるGLグレードのご紹介なだけのパンフなのかも知れません。あるいは後から新規グレード設定されたので別刷りで出したとか。
"seat covers"なんてあるとカバー被せただけ!?と思いそうになりますが、「表皮」の意味として言っているだけで、流石にシートカバーではない…と思います…


それよりも気になるのが、スペックを見ると4気筒2000なところ(ミッションは5速/3速オート)。
オーストラリアが6気筒2600なので、ニュージーランドも当然同じだと思ってたのですが…
特別仕様だけ4気筒を用意するとも考えにくいし…標準は4気筒だったのか…謎。







南アフリカ版、4p(発行年月不明)


珍しい(と思う)南アフリカ仕様のカタログ。
セダンの2000GLのみとなっていますが、他のグレードやボデータイプの設定もあったのかは不明。GLなので当然エンジンは4気筒です。

名前は同じGL仕様でも、これまでに取り上げたものと違って実に独自・独特の仕様です。





コピーは訳すると「無比なる男の無比なる車」、といったところでしょうか。
いささか大げさに思われたでしょうが、本文にも全体に割と大袈裟な表現が見られるのでそれに倣ってみております。

ボデーカラーは「タウニー・オレンジ(Tawny Orange)」。他にAnthraciteかMirage Silverが選べるとあります。
サイドモール、ホイールアーチモール、幅広ドアサッシモール/センターピラーモールが装着され、その上アルミホイールと豪華な装い。グリルのトップマークが国内の末期グランデに採用された角型なので、モデル末期(1980年半ば)の可能性が高い気がします。あるいはモデルチェンジ間近の最後の特別仕様的なモデルだったのかも知れません。


フロントバンパー下に2ヶ所何か見えているのが気になる。
最初小さな後付けランプか何かと思ったのですが違うようです。位置的には5マイルバンパーのアブソーバーの受け金具が大型化されて下から覗いている…と考えると合いそうな位置にある気がするのですが…そんなことあるもんだろうか。
(※後日他車種の南ア仕様で同じようなものが付いている画像を見ましたが、どうも反射板のように見えます。恐らく法規で取り付け義務でもあるのではないかと)





内装もカットパイルのカーペット、モケットのシートでリッチな雰囲気。後期型ながらシートは前期グランデの縫製パターンなのが面白い。ドアの内張りはグランデ仕様でも成しえなかった全面オール布張り(大袈裟)!でも手窓。

またこの時代、特に高級車であれば内装のカラーコーディネーションが当たり前のところ、あえて黒のインパネやコンソールにカラーのシートという組み合わせなのも大変興味深いところ。
ステアリングもウッドではなくウレタンなのが漢らしさを感じさせます。





ラジオはカセット一体。エアコンはさすがに未装備ですが、オプションで装着できるとあります。
時計はデイト付きデジタル。
「回転計でボンネットの下の筋肉をすべてモニターできます」(A rev counter lets you monitor all that under-bonnet muscle.)はさすがに大仰すぎるような…2600車でもあればまだしも4気筒2000ですのでね…

なおこの時代ながら出力/トルクはISO表示のネット値になっています(66kW/143Nm→ 90ps/14.6kgm)。
諸元表は他にもけん引重量(Towing mass)800kgなどと言うのまで書いてあるのが面白い。
表の最後にはホイールとタイヤのサイズ…

サイズ…









5J14!?

これで!?このデザインで?!



同じデザインのアルミホイールは国内用にも設定がありますが、5.5J14です。
そっくりというか同じデザインで5J13というのもありました(カローラ等)が、5Jの14というのは聞いたことがない…慌てて海外向けのパーツカタログを引っ張り出してみましたが、載っているのはスチールホイールのみでした。

確かに175タイヤならホイールは5インチ幅というのが当時のトヨタのセオリーですが…そんなことのためだけに当時まだ高価なアルミホイールをわざわざ作るとは到底思えず…海外向けだけに5インチ幅のがあったとか…??
謎。






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