新型車解説書資料室




そもそも、新型車解説書とは?


新型車(フル/マイナーモデルチェンジに限らず、エンジンやミッションの変更や新設、車体型式の変更、新グレードの設定などなど)の発売に当たり、その開発の狙いを始めとして、新型車の概要から仕様の変更点、車体や各部の構造、詳細な諸元、走行性能曲線から配線図まで纏めて解説した言うなれば「新型車なんでも大百科」である。
あの分厚い文庫本サイズの「大百科」に郷愁を覚える人もこれからは少なくなっていくのであろうな・・・関係ないけど。




(’76.12月版)



(’77.8月版)


マークU、チェイサーそれぞれの解説書は大まかな開発の狙いを述べたこれらの「まえがき」で始まる。


ま え が き

 トヨペツト コロナ マークUは,昭和47年 1 月発売以来流麗なスタイルと,
高い信頼性により絶大な人気を博してまいりましたが,今回フル モデル チ
エンジにより,スタイルを一新し,51年排出ガス規制を満足して,環境に調和
した,ハイグレード パーソナリテイー カーとして新登場致しました。
 排出ガス浄化性能はもとより安全性,運転性,燃費についても充分に満足し
ていただけるものと確信いたしております。
 本書は昭和51年12月にフル モデル チエンジしましたトヨペツト コロナ
マークUの概要を理解していただくため,変更および新設されました機構,装
備について解説してあります。


1976年12月



トヨタ自動車販売株式会社


ま え が き

 トヨタ チエイサーは国内小型上級車市場での優位性確保のため,流麗なス
タイルと,安全・快適・信頼性を徹底的に追求し,53年排出ガス規制を満足(一
部車種は51年規制)して,環境に調和した,ハイグレード パーソナリテイー
 カーとして新登場致しました。
 ボデー形状は 4 ドア セダン及び 2 ドア ハードトツプの 2 種類で,それぞ
れに1800cc及び2000ccのエンジンを搭載し,ユーザーの身になつた使い易い,
快適な車として充分満足していただけるものと確信いたしております。
 本書はトヨタ チエイサーの全般的な概要について解説してあります。


1.本書は1977年6月発売時の車両について解説してありますのでその後の変
更があつた場合は,技術連絡書などにて逐次ご連絡いたします。
2.サービス上必要な事項につきましては,修理書,整備基準表,パーツ カ
タログをご参照ください。


1977年6月



トヨタ自動車販売株式会社


目次を経て、最初に出てくるのは外観写真。
何しろこれから解説するのは新型車であるからして、まずは皆様にどんな外観かからご覧いただかねばならんというワケである。






内容を取り上げていくとキリがないので端折るが、目次を追っていくと

・車両外観写真
・車両型式一覧
・主要諸元
・車両概要
・エンジン
・シャシ(クラッチ、トランスミッション、プロペラシャフト、ディファレンシャル、フロント&リヤアクスル・・・)
・ボデー(メインボデー、ラッゲージコンパートメント&トランクオープナ、エンジンフード関係、ドア関係・・・)
・補機(ワイヤハーネス、リレー関係、スイッチ関係、コンビネーションメータ、灯火類、ワイパ関係・・・)
・巻末資料(オプション仕様一覧、内外配色一覧、車両全体図、シャシ二面図、運転席付近配置図・・・)

・・・といった按配で、隅から隅まで事細かな解説・記述がなされている。




ボデーのシーリングの解説。



これらは新車発表時のものなので上から下までひと通りの解説がされているが、エンジン・ミッション変更やマイナーチェンジ時のものでは、変更があった部分のみの解説となっている。説明のない従来通りの部分は以前の解説書を見て下さい、という事である。





表紙はさして代わり映えせず面白くないので割愛。
変更点は見てすぐ判るような外観意匠や配色はもちろん、構造が変更された部分なども詳しく記載されている。



細かすぎるような気もする例。オーバードライブのスイッチ。



ただし、執拗に解説がされているからと言って全て何もかも仔細漏らさず載っている訳ではないので、「新型車解説書に記載がない=変更されていない」と考えるのは早計である。

例えばステアリング周辺でだとウインドウォッシャーのスイッチ。前期では水色のものがマイナーチェンジで黒色に変更されているが、この点についての解説は全くない。4ウェイフラッシャー(ハザード)のスイッチはプルタイプのノブからシーソースイッチに変更されているが、これについても記述はない。たまに数値や表記が間違っていたりする事もないではない。また、1980年4月にはボデーカラーやストライプ、装備の設定が拡大されたが、この時には解説書は発行されていない。
メーカーの資料といえども過信は禁物です。



既にお伝えした通り、現在これらは全てCDライブラリーとして入手が可能。
コンプするのに苦労した時代は終わりました。

※2021年に残念ながら廃番となってしまった模様です。




これで全部。のはず。
因みにCD収録の画像なら早いし簡単で綺麗なのですが(特に表紙)、「無断複製禁止」の文字がわざわざ入れられているのに使うのもアレなので、全部手持ちの原本からのスキャンです(原本にも「無断転載を禁ず」って入ってるんだけどねー)




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