マイナーチェンジ

昭和53年8月、マイナーチェンジで変更された部分。
※基本的に6気筒系をメインに紹介しています※

※11/01/26 追記
※13/11/07 末期型追加


・マークU



(ロールオーバー マウスポインタを載せると後期型になります)
※スマホでは長押ししてください
タップでも変化はしますがページの一番頭に戻ってしまいます
以下の画像も同じです 未対策のため大変御迷惑様です


まず印象が強く、また目に付くのが衝撃吸収バンパーだが、これは全車(タクシー/バンを除くDX以上)ともオプション。標準では前期型と同じクロームのバンパーが付く。※文末に追記あり
衝撃吸収バンパーが付いていれば後期型だが、標準バンパーならば前期型というわけではない。

見比べてすぐ判る通りグリル、車幅灯とも大型化されて角張ったものになった。
グリルは前期型では6気筒がハニカム、4気筒が上下分割の縦桟と分けられていたが、マイナーチェンジでセダン系が縦桟、ハードトップが8分割斜め格子のものとなった。
車幅灯は中央に縦バーの入った長方形になり、中央にはマークUのマークが入る。

これらの変更でボデー側のフロントパネルの形状も当然変更されているが、派手になったグリルとの釣り合いを持たせるため、ヘッドランプベゼルも外周に黒色塗装の溝が彫られたフチの幅のあるものに替わった。画像では判りにくいが、バンパー下のバランスパネルも先端が「エアカットフラップ」と称したスポイラー状に改められ、結果フロント回りは標準バンパーを除いてほとんど全て別物となっている。

防眩効果を狙ってワイパーは銀色から黒に変更され、また風切り音低減のため、前期型ではグランデのみだったリヤウインドウアンテナが全車に採用された。これまた画像では判りにくくて申し訳ないが、グランデのみフロントガラスが強化からティンテッド(ボカシ入り)合わせガラスにグレードアップしている。





(ロールオーバー マウスポインタを載せると後期型になります)

リアビューは一見してすぐ判るように、それまでテールランプと一体だったバックランプが分離され、また各ランプも大型化された。テール/ウインカーはレンズカットもそれまでより派手目なものになっている。当然、リヤパネルもフロント同様に変更。

些細ではあるが、後期型から正式な車名が「トヨペットコロナマークU」から「トヨタコロナマークU」となったため、トランクエンドのガーニッシュの文字が[TOYOPET]から[TOYOTA]に変えられている。
また、トランク右側に「MARKU」の小さな車名エンブレムが付けられた。でも画像ではよく判らない。

前期型にあった[TTC-C][5Speed]のエンブレム、[53年排気ガス規制適合車]ラベル等は全て廃止された。





(ロールオーバー マウスポインタを載せると後期型になります)

あまりアングルが変わらないが、この項はサイドビューの説明である念のため。

パネル類の変更はないが、グランデのホイールキャップはセンター部が膨らみ、マークが入れられた。
前期型では6気筒車のドアウインドウ開口部に細いモールが付いていたが、センターピラー含めてドアサッシ全てを被う幅広のものに変更され、より豪華な装いに。
セダン全車のエアアウトレットもシンプルな横桟から、フロントグリルと同じパターンの派手なデザインに変わっている。
ハードトップはそれまでボデー同色のままだったロッカーパネルに黒色塗装が施され、GSLにはテープストライプがオプション設定された





(ロールオーバー マウスポインタを載せると後期型になります)

インテリア。2枚の写真で撮った角度も明るさも色味もだいぶ異なるので見難いがご容赦。

まず目に付くステアリング。前期では3本スポークのみだったのが、後期型にはグランデはキャストウッド、GSLにはウレタン一体成型の4本スポークが加えられた。Lシリーズは3本スポークのままだが、パッドのオーナメントにクロームの縁取りが加えられ、より立体的な形状になっている。
オートマチック車のシフトノブは木目樹脂から本木に、またサイドブレーキレバーも本木製が追加された。
メーターはメインが丸2眼なのは同じだが、補助メーター類が丸から角に変わり、メータークラスターにもクロームの縁取りが追加されている。

シート地は全体的にグレードアップされたが、特にグランデはそれまでのデザイン含めてシンプルなシートから一転、「錦糸町キャバレー」と揶揄された某広島製スペシャリティカーを彷彿とさせるチンチラみたいな生地(クラッシュドベロア)となった。

装備類も色々追加されている。使用頻度の高く便利なところでは、ワンタッチ(オート)パワーウインドー、フューエルリッドオープナー、ランプ消し忘れブザー、ウォッシャー連動ワイパー等が挙げられよう。
他にも快適装備としてイルミネーテッドエントリー、シート上下アジャスター、テンションリデューサー付きシートベルト(ハードトップのフロントのみ)等が追加された。ドアポケットの設置など細かい部分の改良もされている。





・チェイサー



(ロールオーバー マウスポインタを載せると後期型(厳密には末期型)になります)

ひと目見て判るようにグリルが変更され、6気筒メッキ縦格子/4気筒縦桟グレー塗装で区分されていたのがセダン縦基調/ハードトップ斜め格子となった。特にスポーティな斜め格子グリルは、この後もチェイサーのアイデンティティとして継承されることとなる。

グリルの上部から左右にかけて黒色塗装された溝が設けられ、精悍なイメージを出している。前述のヘッドランプベゼルのフチの意匠は、恐らくこのグリルと呼応させたものであろう。またグリル上部には車名エンブレムが追加された。
ただしグリルの寸法は同一で、フロントパネル側は全く変更されていない。個人的な感想だがグリルだけでこれだけイメージを変えられれば、マイナーチェンジとしてはかなり成功と言えるのではあるまいか。

衝撃吸収バンパーの設定、エアカットフラップ、ワイパー・アンテナ等の処理はマークUと同じ。ただし合わせガラスは設定されなかった。






(ロールオーバー マウスポインタを載せると後期型になります)

向きが真逆になっているが、カタログ写真の都合でどうしようもない。ご容赦。

まず真っ先に目に付くテープストライプはハードトップSGSに標準装備、GSにオプション設定。
ハードトップのロッカーパネルの塗装はマークUと同様。セダンの場合マークUでは幅広のドアサッシモールが装備されたが、チェイサーでは細いサッシモールはそのままにサッシの黒色塗装でスポーティさを演出している。
アルミホイール装着車以外は前期で設定のあったフルキャップは廃止され、全車飾りスチールに大小のセンターオーナメントとホイールリングを組み合わせるようになっている。


さてテール周りだが、どこが変わっているか画像をよく見比べて欲しい。アングルやコントラストの違いで非常に判りにくいとは思うが。
お判りだろうか?





実は何も変わっていない。

厳密に言うとトランクエンドモールの右端に車名エンブレムが追加されているのだが、それだけである。パネルは勿論ランプもエアダクトも何も全く変わっていない。
発売から1年しか経っていないのであまり予算が掛けられなかったのか、それともオリジナルデザインに余程自信があったのか・・・前述のテープストライプといい各部の塗装処理といいグリルといい、どうも対費用効果の涙ぐましい追求があったように思われる。

後期型のフロントフェンダーにあるエンブレムはエクストラインテリアのもの、前期型ではSXLにのみ設定されていたが、後期型ではSGSにも設定された。
またマイナーチェンジと共にSGSにはスプリング、ダンパー、スタビライザーを強化した「ハーダー・サスペンション」が標準装備されている。硬派なモデルという位置づけから、パワステはオプションでも未設定。


インテリアは大部分がマークUと共通の変更内容なので、画像は省略させていただくが、シート生地は無地のものからストライプ入りに変更され、やはりスポーティなイメージへと変わっている。SGSにエクストラインテリアが設定されたのは既に述べたが、前期型ではパッケージオプションなど選択せずとも最初からSGツーリング同等の最高級グレード並みの仕上げだったわけで・・・これはグレードアップと言えるのだろうか。



1978年(S.53年)8月のマイナ チェンジ切替フレーム
(青字はマークUのみ)
生産工場 トヨタ自工
元町工場
(A21〜A26)
関東自工
東富士工場
(M21,22)
トヨタ車体
富士松工場
(C21)
車両型式
TX30 010001〜 407001〜 606001〜
TX40 015001〜 408001〜 607001〜
RX40 000001〜 800001〜 350001〜
RX41 000001〜 800001〜 350001〜
MX30 022001〜 524001〜 628001〜
MX40 004001〜 403001〜 604001〜
MX41 016001〜 413001〜 618001〜
MX43 000301〜 400301〜 600401〜



※追記
カタログ等にメーカーオプションとして記載されている衝撃吸収バンパーだが、気になる資料を見つけたので掲示しておく。
昭和54(1979)年7月発行の東京トヨタの新車価格表より。



(↑クリックで拡大)


右端の「付属品・添付品」の欄で分かるように、ほとんどのグレードで衝撃吸収バンパー車を「標準仕入車両」としている。もちろん標準バンパー車も他のページで「受注後オーダー車両」として掲載されているが、セールスマンが真っ先にお勧めし、あまり細かく考えて詰めるのが面倒な顧客が選ぶのは衝撃吸収バンパー車と言うことである。

勿論これは東京トヨタでの話だが、これより3ヶ月前(54年4月)の東京トョペットの価格表を見ると受注生産車ですらみんな衝撃吸収バンパー付きばかりという激しさである。同じく東トョでも53年9月の価格表を見る限り、マイチェン直後はスポーティなGSLとLGツーリングのみにお勧めしていたようなのだが。
最大市場東京でのセールスを担う2社がこういう方針を取るくらいだから(むしろメーカー側の方針だったのかも)、後年のカタログになるほど衝撃吸収バンパー車の写真が増えて来るのも納得である。いずれにしろ後期型に衝撃吸収バンパー車が非常に多い理由のひとつを垣間見ることができた気がする。

しかし何で2600車だけ1,000円高なんでしょうね。






・末期型について


マークU、チェイサーとも昭和55(1980)年4月に仕様の変更がされている。
基本的には装備の充実がメインであり、身も蓋もない事を言ってしまえば要するにモデル末期の最後のテコ入れである。
装備の充実と言っても新規装備が追加されたわけではなく、ボデーカラーの一部変更のほかは高グレード用の装備が下のグレードにも拡大採用されただけであり、そのため特に解説の必要もないということなのか解説書なども発行されていない。なので全容がわかりにくい。

特にマークUのLシリーズは装備の充実が著しく、シート生地が変更されたほかグランデの専売特許だったデジタル時計、マーク入りホイールキャップ、リアガーニッシュ等が採用されてかなり豪華な雰囲気になった。カタログ写真では分かりにくいがGL以上にはカラードサイドモールも新たに標準装備されている。


なお「末期型」という表現はこのページを作る際あまり深く考えずにひねり出したものなので、昔から呼ばれていた普遍的な表現とかそういうものでは全然ございませんです。今思うと「最終型」とかのがよかった気がします。


LGツーリングでコレです。グランデとほとんど変わらん
※リアガーニッシュはグランデ用とは色が変えられている






当然これでは最上級モデルの優位性が薄くなってしまうので、グランデ専用部品として新たに角形のトップマークと幅広のロッカーモールが新規採用された。更に他社のファッションホイールキャップに倣ってホイールキャップをカラードとし、ツートーンカラー(オプション)とブラウンの内装色を用意した。ただしブラウンなのはモケット生地の部分だけで、樹脂やレザー部分はベージュのままである。







チェイサーにおいてもマークU同様にボデーカラー変更のほか、SXL・SGSのシート生地変更、デジタル時計の採用などで高級化が図られている。ただ最上級グレードのSGツーリングの装備内容はほとんど変わっていない。恐らくはグレードごとの棲み分けがある程度明快であったからではないかと思われる。手抜きとは思いたくない。

一番目立つのがストライプの変更で、それまでサイドモール下だったものが上に切り替わり、フロントフェンダー後部から始まるダイナミックなデザインとなった(マークUのGSLも同様)。またコストの掛からないスポーティテイストの演出も追加され、ハードトップのみだったロッカーパネルの黒塗装はセダンDX以外に全車標準(マークUも同様)、SGSとGSに至っては「ブラックロアバック」と称するベレGタイプRばりのバックパネルのツヤ消し黒塗装!まで採用された。





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