力のキャリイ


スズキキャリイがL40系からL50系、ST10系、ST20系を経てST30系になるまで。
Web上で世界一詳しい(たぶん)、5代目〜7代目キャリイのれきし。

とは言っても当然この世のありとあらゆる資料を全てチェックしたわけではありませんので、100%かんぜんにあってるとまでは言えません。
間違いがあった場合に死亡や重傷を負うおそれがある事案へのご使用はおやめ下さい。
そもそも使うこと自体ない
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昭47(1972)年 4

L40/L40V系
FB型空冷2サイクル2気筒359cc25馬力

一方開STD/スーパーDX
三方開STD/スーパーDX
パネルバン(トラック)
5ドアバン
三方開スーパーDX

バン

言わずと知れた?「ジウジアーロ・キャリイ」。
これはこれで色々と興味を引かれますがひとまず置いておいて。
バンはシングルグレードですが、写真を見るにSTDでなくスーパーDX一種のみと見るのが妥当でしょう。

5
トラック系モデルチェンジ(L50系)
L50型水冷2サイクル2気筒359cc28馬力
48年排出ガス規制適合

一方開STD/スーパーDX
三方開STD/スーパーDX
一方開スーパーDX

まずはトラック系のみモデルチェンジ。
ライトはオーソドックスな丸2灯に。縦型ドアハンドルを引き継いだのはキャリイのアイデンティティと認知されていたからでしょうか。
この時代にこのクラスでチルトステアリングを採用したのもトピック。
キャッチコピーは「力のキャリイ」。

8
バン系モデルチェンジ(L50V系)

スライドバン4ドアSTD/スーパーDX
スライドバンスーパーDX

3ヶ月遅れてバンもフルチェンジ。
前衛的すぎた先代から、極めて真っ当なバンらしい姿に。
リアドアがヒンジ式からスライド式(ただし左のみ)に変わったのがアピールポイント。

アウトサイドミラー平型に
登場時からのマドレーヌみたいなミラーが、キャブオーバー車にありがちな平たいものに変更。
初期モデルのトラックのカタログで、一部の写真とキャプションだけで(グラビアは撮り直さないまま)ミラーの変更をアナウンスしたものがあるので、時期は不明ですがマイチェンより前の時点で変更されていたようです。

12
5ドアバン追加(L50VF系)
スライドバン5ドアSTD/スーパーDX
トラックにパネルバン追加(L50B)

一方開STD/スーパーDX
三方開STD/スーパーDX
パネルバン
スライドバン4ドアSTD/スーパーDX
同5ドアSTD/スーパーDX
5ドアバンスーパーDX

一方開スーパーDX

デビューから4ヶ月のバンに、左右スライドドアの5ドアが登場。
同時にパネルバンタイプのトラックを新設。

ご覧のようにこの時期フェイスリフトが実施されているのですが、正確な時期が不明です。
5ドアバン、パネルバン共に登場時からこの改良後の顔になっているようで、車台番号から考えると5ドアバン登場時かその寸前ではないかと思われます。
バンパー下にエプロンが追加されていますが、材質自体も樹脂製から鉄製に変更されたようです。トラックは額に十文字が入れられ、バンはグリルにSマークを追加。

昭48(1973)年


11
マイナーチェンジ
保安基準改正安全対策(L50系-2型)
フロントグリル・バンパー変更
2系統ブレーキ
助手席シートベルト
助手席ヘッドレスト(トラック)
クォーターガラスガード(バン)

一方開STD/スーパーDX
三方開STD/スーパーDX
パネルバン
スライドバン4ドアSTD
同5ドアSTD/スーパーDX
5ドアバンスーパーDX

保安基準改正で各種改良が施されています。
バンパーはエプロン部分が黒塗りに。そのせいでよく見えませんが、それまでとスロット(穴)のパターンが変わり、中央の2段4本スリットのみになっています(49年8月に出てくる経済車の写真で確認してみて下さい。かすかに見えます)。
バンパーはクッションゴムも追加(全グレード)。グリルはあっさりした意匠に変わり、バンにも額の十文字が。
4ドアバンのスーパーDXが廃止。

 
昭49(1974)年  
2
一部改良
外観意匠変更
一方開スーパーDX

5ドアバンスーパーDX

3ヶ月ほどでまた改良。
十文字オーナメントは廃止され、白タイヤやクロームのホイールキャップも無くなり質素な感じに。

なお、たぶん皆さんの見慣れている(記憶にある)のはDX以下のグレードだと思うのですが、グリルやバンパーが黒いと意匠が分からないためスーパーDXばかり出てきます。あしからず。

5
一部改良
28馬力→26馬力
車両重量低減(燃費対策)
エンジン改良がメインで、外観は特に変わってないものと思われます。

8


一方開に経済車追加
(ヒーターレスAタイプ/ヒーター付AHタイプ)
一方開経済車AHタイプ

スタンダードの下を行く経済車が登場。
ミラーさえ簡素化され泥除けもオミットされるのに、バンパーラバーは装備。

12
マイナーチェンジ(L50系-3型)
ナンバー大型化
5ドアバンスーパーDX

ナンバー大型化に伴う改良。バンパーラバーが廃止。
内外ともそれほど大きな変更はないようですが、パーツリストなどではこれが「3型」とされています。

昭50(1975)年



12
マイナーチェンジ
保安基準改正安全対策(H-L50系)
50年排出ガス規制適合
出力26→25馬力
フロントグリル・バンパー・インパネ変更
車体耐久性改良

一方開経済車/STD/スーパーDX
三方開経済車/STD/スーパーDX
バン5ドアSTD/スーパーDX
三方開スーパーDX

排ガス規制対応でまた改良。
再びグリル・バンパーが変わっています。
内装はインパネが一新されたほか、ブラウンの内装色でより豪華な雰囲気。
バンは5ドアのみに。

昭51(1976)年
5
モデルチェンジ
新規格、キャリイ55(H-ST10系)
LJ50水冷2サイクル3気筒539cc26馬力
50年排出ガス規制適合

一方開経済車/STD/スーパーDX
三方開経済車/STD/スーパーDX
パネルバン
バンSTD/スーパーDX
一方開スーパーDX

旧規格の車体のまま、エンジンだけ新規格の3気筒550ccに変更。
たった4ヶ月間という生産期間を見ても、「繋ぎ」の暫定仕様なのは明らかでしょう。
当時他社でもこういった仕様は多く、この時期の軽の混乱の理由のひとつともなっています。

外観は一見同じようで、地味にバンパーを大型化。

9
トラック系モデルチェンジ
キャリイワイド(H-ST20系)
LJ50水冷2サイクル3気筒539cc26馬力
50年排出ガス規制適合
新規格拡大ボディ
キャビン/荷台分離化

一方開経済車/STD/スーパーDX
三方開経済車/STD/スーパーDX
一方開スーパーDX

トラック系が新規格フルサイズのボディにフルモデルチェンジ。キャビン、荷台とも拡大。
スーパーDXでもグリルは付かず、シンプルな顔。

当時の「自動車ガイドブック」の編集締めがちょうど9月(9/30)なのですが、パネルバン/ダンプ/FRP荷台車だけ旧規格のモデルが掲載されています。これらの仕様だけ多少発売が遅れたのかも知れません。

11
バン系モデルチェンジ
キャリイワイドバン(H-ST20V系)
新規格拡大ボディ

バンSTD/スーパーDX
バンスーパーDX

続いてバンもフルモデルチェンジ。こちらはグリルが付きます(スーパーDX)。
ボディ拡大で荷室スペースは当時の軽キャブバン最大の広さに。

サイドボディは基本的には旧モデルの流用ながら、段違いになっていた前後ドアハンドルの高さが揃えられている辺りなど、細かい改良の跡が見られます。

 
昭52(1977)年


10
マイナーチェンジ
フロントグリル・インパネ変更
最小回転半径縮小(4.0m→3.8m)

一方開経済車/STD/スーパーDX
三方開経済車/STD/スーパーDX
バンSTD/スーパーDX
三方開スーパーDX

バンスーパーDX

1年ほどでマイナーチェンジ。よりデラックスにしつつ機動性もアップ。シートクッションが改良されて乗り心地も向上。
トラックもSTD以外にはグリルが付くようになります。

「通称型式」では『U』と付くようになる(画像の三方開スーパーDXを例とすると「H-ST20KTU」)ので、「後期型」よりも「U型」と呼ぶのがより正しいのでしょう。

 
昭53(1978)年  
2
バンにカスタム追加
メタリック塗装
メッキバンパー
リクライニングファブリックシート

バンカスタム

経済的負担が小さい軽バンをマイカー通勤などに使うユーザーが増えてきたということで、ワゴン的な豪華さを取り入れたモデル。
アルト登場の機は熟して来ていたのです。




昭54(1979)年
4
トラック系モデルチェンジ
キャリイ(H-ST30系)

一方開STD/DX/スーパーDX
三方開STD/DX/スーパーDX
三方開スーパーDX

トラック系がアオシマの屋台車(トミカでも可)でお馴染みの顔にチェンジ。
シートスライドが設定されたのが特色。
キャッチコピーは引き続き「力のキャリイ」を使ったようです。

 
6
バン系モデルチェンジ
キャリイバン(H-ST30V系)

DX/スーパーDX/カスタム
バンスーパーDX

ふた月遅れて、バンもフルチェンジ。
今改めて気が付きましたが、どことなくぬこっぽい顔の印象には、フロントパネルのヒゲみたいなプレスも少なからず影響しているのではねぃでぃしょうか。




おまけ。


「ジウジアーロ・キャリイ」にキャンピング仕様があったのをご存じでしょうか。
プレスリリースの文面のみとなりますが、どのような仕様だったのかご覧下さい。




特別ふろく
L50キャリイ壁紙

1600×1200(UXGA)
(Ver.2.01)


1280×768(WXGA1)



1366×768(WXGA)


クルマだけではつまらんのでサービスカットっぽいのを・・・サービスにしてはマニアックだ?
もっともなご意見ですが他のはもっとあまりにもマニアックにも程がありすぎるんですよ。
可愛く写ってるだけでももしかするとちょっとした奇跡かも知れない一枚。


なお本品はジョークグッズです。実際の使用はお勧め致しません。超使いづらいし。
冗談じゃないってほど時間かけて作ってしまいましたけど。




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