トヨタクラウン2000ロイヤルエクストラリミテッド、平成13(2001)年式、走23,400km。
Goo-NETで捜索、水戸市の板金塗装店より検2年付きで購入。











E-GS131H型クラウンセダン号の後釜として「2000ccのクラウン」に固執した結果、着地点がここにしか見つかりませんでした。前車の性格からすればクラウンセダン(GXS10系)にするのが妥当なのでしょうが、正直なところ単に「できるだけ新しい130系クラウン」として選択していたわけで、別に法人車スタイルが好きで乗っていたわけでもなく。それにあちらはどうしても「クラウン調80系マークU」というイメージが拭えません。

2500車を受容すればだいぶ選択肢が増えるのですが、2500cc車は同時に重量も1.5トンを超え、燃料もハイオクになります。この差額が払えなくはなくとも、この差額を払うほど2500の馬力が欲しいとも思わないのです。また2500だと170系後期型からは直噴(1JZ-FSE)になってしまいまして、煤と黒煙を吐くクルマは大昔に85トレノ(Vキャブ)で散々懲りましたのでもう結構、前期型だと普通のエンジンなのですが、そこでわざわざ前期を選ぶとなると更新という意味合いが薄れます。
2500を受け入れるついでにV6にも甘んじてゼロクラというのも考えましたが、こっちはこっちでダッシュのヒビ割れに怯えなければいけないクルマももう既に持ってますのでこらまた結構です。それ以降の年式となると流石にお値段もそれなり、そこまで払うほど欲しくは全然ない。

できれば可能な限り新しく、後期で15年辺りの弾があったらよかったのですが、2000のロイヤルエクストラのリミテッドの低走行のマルチビジョンなしとなると選り取り見取りとはいきません。






現車は水戸の板金屋にあったもので、前オーナーは80代のお爺ちゃんとの由。
距離が示すように本当に近場しか乗らなかったようなのですが、バンパーを擦ってきて家族から運転させるのは危険なのではないかと鍵を取り上げられたと。しかしどうしてもクルマがあると乗ってしまうので、知り合いの板金屋に買い取ってくれないか?と話が来たと。
板金屋さんも引き取ったものの2リッターじゃ売れないしトヨタに出しても二束三文だけどかと言って捨てるのはあまりに惜しいし…でいささか持て余し気味だったようです。半年ほど店先に置いておいても誰一人見に来ず問い合わせもなく、私がお客さん第一号だったそうです。






エピソードを裏付けるように前後ともバンパーに結構な傷があったのですが、そこは板金屋さんですので安く直してもらいました。

前期型ロイヤルはご覧のようにバンパー下端とサイドシルが素地色です。厚ぼったくなったボディが目の錯覚でいくらか薄く見えます。ただリアコンビランプのバランスが上寄りなせいで尻が跳ね上がって見えるのが今一つ好みじゃありません。後期型になると上下が逆転した如何にも「クラウン的」なテールランプになり視覚的重心が下がるのですが、同時に素地色の部分がボディ同色になるため一気に厚ぼったい尻がずり下がっているような感じになってしまいます。

このバンパーと後期テールを組み合わせると個人的にベストなバランスになると思う…のですが、生憎と前期後期でバルブの位置が変わったため、トランクの内骨を切らないと後期テールは付かないのです。もともとパネルの切った張った穴空けたは大嫌いなのですが、こうも綺麗なクルマ相手だと更に気が進みません。まあその辺りはおいおい。もし気が向いたら。

ボディカラーは1C0シルバー。
199シルバーが完全な無彩色の明るいシルバーだったのに比べて、わずかに緑色味が入っているのがいい色合いです。弾としては圧倒的にパールツートンが多いので、ここも現車を選んだポイントの一つでした。






「リミテッド」はシート生地がロイヤルサルーンと同等になるほか、運転席パワーシート、ティンテッドガラス、スイングルーバー、コンライト、シートバックグリップなどエクストラで落とされていた装備が付いています。私には素のエクストラではダメだったのです。

因みに前の前に乗っていたのがロイヤルサルーン(ROY)、今までがスーパーサルーンエクストラ(SALEX)でしたので、ロイヤルエクストラ(ROYEX)と言うくらいなら先代よりは少しグレードが上がった…と思わせておきながら、型式のグレード記号は「S」、本質的にはスーパーセレクト(SSL)なのでさらに一段下がっています。130系ワゴンのROYEXであればSALEXの豪華版になるのですが、ロイヤルシリーズの方は140系で出た「スーパーセレクト・ロイヤルエクストラ」が発祥なので元グレードはSSLの扱いなのです。130系で言うところの特別仕様車「ロイヤル仕様スーパーセレクト」のポジションです。リミテッドが付いた分でようやく今までとトントンというところでしょうか。もちろんこんな細かい格差を気にして乗っているわけはありません。あくまで与太話です。

テール上段のストライプは本来赤色なのですが、経年劣化で泡立って黒くなってしまいます。いささか見苦しい。カタログだとどう見てもアカいのに街行く実車だとどう見ても黒いので、途中で品番変更があったのかと最初はパーツカタログで調べてしまいました…






内装色はチャコール。アイボリーほど華々しすぎる感じでないのでこちらの方が好みです。カタログだと本当にサフ色か何かみたいなただのグレーみたいに見えるのですが、実物は微妙な色合いで悪くありません。汚れっぽくないという点では前期アスリートにあったサドルグレー辺りが良いのですが、設定がないのだから仕方がない。ナビは仮付けです。

ご覧のように市販のマットが敷かれていますが、その下にちゃんと純正のマットが引かれています。年配のオーナーにありがちなマット2枚敷き…とそういう自分もチェイサーでは同じことをしているので言えた義理ではありません。
ご覧のように納車前のサイドシルのビニールが…運転席ドア内張りの下とサンバイザーのビニールも残されていました…が、サンバイザーのそれは内面にカビが生え、内張りは境目の汚れが激しくなっていたので全部剥がして掃除しました。あのビニールを残すのはよほど綺麗に使っていないとかえって汚れを溜め込むだけなのでお勧めできません。

現車がマルチビジョンなしというのも重要ポイントでした。新車当時ならともかく、今さら地図更新も5年前に終わったDVDナビとアナログテレビが付いていたところで何も嬉しくありません。今まで使っていたゴリラを継続使用するにしてもモニターが2枚並ぶといういささか間の抜けたことになり、かと言って空調やオーディオはマルチ画面で操作するので、上から完全に被せて隠してしまうわけにも行かず。マルチの有無で異なる部品をすべて交換していけば入れ替えも不可能ではないはずですが…そんな気合いもまるでなく。






ラジオ以外のオーディオソースはカセットのみです。
今日びカセット!と思いますが新車の時点でも大概だったと思います。しかしエクストラではこれが標準、CDを聞きたければマルチビジョンナビとセットで35万円也という鬼のようなオプション設定になっています。マルチ付きの個体が多い理由の一端でもありましょう。

とっくに中古車の今は関係ない…のですがこの型はエアコンとオーディオをコンピュータで一括制御しているため、単純に社外オーディオに交換するとエアコンが使えなくなるという面倒な代物です。社外デッキやナビを入れるには高価な対応キットを使うか純正デッキをバラして必要な基盤だけを繋いだままインパネの奥に突っ込んでおく…という細工を要します。
10年前であれば色々やったかも知れませんが、正直今さら苦労してデッキを入れる気も起きません。ipodが繋いで聴ければそれでいいです。FMモジュレーターも考えましたが試してみるとどうやらカセットアダプターでも充分なようです。まさか平成も終わる今さらになって再びカセットアダプターの世話になるとは思っていませんでしたが…

品番で見る限り操作パネルもコンピュータもCD付きのロイヤルと同じなので、もしかして単にCD/カセットの中古純正デッキと入れ替えるだけで普通にCDは聴けるようになるのではないかと思うのですが、クルマでCD聴いたのなんて数年に一度レベルなのでわざわざ試すほどでもない気もしないではなく。






運転席はパワーシートになります。
パワーかどうかは別としてシートクッションはかなりソフトです。150系だとここまでではありません。どうも乗り心地に関してシートの柔らかさにかなり依存したいという設計の気配を感じます。130系だとフレームのマウントゴムがハーシュネスの遮断を受け持つためか、シートはずっとみつしりかっちりしていました。こちらのシートはふかふかで当たりは良いですが、長距離長時間では固めの方が絶対に楽なはずです。柔らかいと沈み過ぎてかえって尻が痛くなります。ました。NVHの伝わり方は相当小さく躾けてあるとは言え所詮はモノコック乗用車のそれ、今さらながらフレームの存在の偉大さを知った感があります。もっともその辺は150系で分かっていたことですが。

足元が広くなったのは実にありがたい。130系はペリメーターフレームとは言うものの、長年の補強補強でフロア下にもメンバーが入って床が高くなっていたのです。この辺りはモノコックの最大の恩恵であります。






コンソールは非常に大型な上、上下2段になっていて更に色々と入ります。
こちらが下段。
ヘンな所にコインホルダーがあるのは、遮音性能を高め過ぎたせいでインパネの小物入れだとコインの音が気になったから…と開発インタビューに書かれています。






上段…は知らないと存在を見逃すわけです。ご覧のように。
前オーナーが偲ばれます。

私は170系を買うと決めた時からカタログやらクラウンのすべてを熟読玩味していたのでここにスペースがあるのは知っており、見に行った時にこれらが入ったままになっているのも知っておりました。板金屋さん気付くかな?見逃すかな?と思ったら予想通りでした。






リヤシートは何と言うか…普通です。特に言うほどのこともなく。ちょうど良いです。
クッションがソフトなのも後席では恐らく恩恵の方が多いでしょう。

納車前にリヤ3面はフィルムを貼ってもらったのですが…ちょっと濃すぎたようです。薄暮時に後ろがよく見えない。今までのクラウンセダンはリヤウインドウだけ新車時に貼られていて、年月で日に焼けてすっかり薄くなっていたのでよく見えたのです。もっとも外からもよく見えてましたけど。

電動サンシェード付きであれば後面だけ一段薄いのにして必要に応じてサンシェードを上げて…とできたのですが付いてなかったのだから仕方がない。というかカタログを見る限り2000エクストラはオプションでも選べないことになっているはずなのですが、中古車サイトで物色していると2000でも付いている個体がそこそこあるのがよくわかりません。リミテッドの特別装備にはサンシェード入っていないのですが。ていうか入ってるならこのクルマにも付いてないとおかしいし。謎です。
※追記:電動サンシェード付きもちゃんとあったことが判明。前期型でリミテッドの発売が2回あり、2回目のに特別装備として付いていたようです(現車は1回目の仕様)。






長年リヤシートの背もたれの後ろに背負っていた燃料タンクをこの型で座面の下に移したので、リヤオーバーハングの延長と相まってトランクは非常に広くなりました。リッドの見切りも低くなり、130系と比べると広大と言ってよいスペースです。やや変則的な形状なのが気になると言えばなりますが、この広さに比べたら些細なことです。






もう今さらの感すらある1G-FEですが、今度のはVVT-iが付いて160馬力です。

このアングルだと分かりづらいですが、エンジンルームが妙に広いのでなんだかスカスカの感じがします。特に向かって左ががら空き、タイヤハウスにへばり付いたパワステタンクの所在なさげなことと言ったら。吸気口の形状といい空き加減といい何となく130ローレルの4気筒を思い出しました。シュラウドが巨大なアレです。

エンジンにVVTが付いてミッションもECTになりました。
走らせているとエアコンコンプレッサーやロックアップのオンオフの細かい制御をしているのが伝わってきます…がそもそも伝わってきてたらダメなんです本来高級車というものは。エアコン入れたらコンプレッサーは回したまま、加速してもショックはシフトアップとロックアップ一回という方が理想的なのですが…もうクラウンといえど燃費の点でそういうことが許される時代は過ぎ去っているということなのでしょう。もちろん伝わってきても振動やショックは相当に抑えられているので、普通なら特に気にならないと思われます。










おまけ。

届いた車検証をチェックする際は住所氏名だけでなく、走行距離もよくよく確認しましょう…



クラウン 2000ロイヤルエクストラ リミテッド
型式 TA-GS171-AEPSK-L
駆動方式 FR
全長 (mm) 4,820
全幅 (mm) 1,765
全高 (mm) 1,465
ホイールベース (mm) 2,780
最低地上高 (mm) 165
トレッド前 (mm) 1,495
トレッド後 (mm) 1,470
乗車定員(人) 5
車両重量(kg) 1,470
最小回転半径 (m) 5.3
ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 前 ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後 ディスク
タイヤサイズ 195/65R15
エンジン型式 1G-FE
種類 水冷直列6気筒DOHC VVT-i
総排気量(cc) 1,988
最高出力(ps<kW>/rpm) 160<118>/6,200
最大トルク(kg-m<N-m>/rpm) 20.4<200>/4,400
使用燃料 無鉛レギュラー
トランスミッション 電子制御フレックスロックアップ付き
4速オートマチック フロアシフト